あらすじ
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周りに迷惑をかけない程度の自分勝手ならば別段口出しする必要もないし、されるいわれもないだろう・・・。いつからか人々は、よほどのことがない限り、他人について無関心を装うことが無難だと考えるようになった。2025年に発生した「筑波山死体遺棄事件」は、犯行内容の猟奇性により、衆目を集めた。しかし、それも一時的なことであり、人々はこの事件についても無関心を装った。一方、巷では「ゆとり世代」(2002年以降に中学校を卒業した世代)によるカルト化が問題視されていた。「無関心」と「カルト化」は、今に始まった問題ではない。だがこのとき、これらの問題は臨界点に達しようとしていた。現代社会は新たな局面を迎えつつあった。
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