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作品名:???????????2
作者:?????
第53回
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今日、同じクラスのアクタ君がゴミ置き場に捨てられてた。
ゴミ袋の口から頭だけ出して、わんわん泣いてた。
「ゴミのくせに、うっさいなあ」
ぼくはアクタ君をけとばした。
だって、アクタ君はクラスのゴミだもん。
ぼくらのクラスが球技大会やリレーでビリだったのは、アクタ君のせいだもん。
アクタ君はトロくて、いつもみんなをイライラさせる。
よかった、これでクラスのゴミがいなくなる。
ぼくはもう一度アクタ君をけっとばした。


今日は隣のクラスのチリコちゃんが捨てられてた。
ゴミ袋の口から頭だけ出して、しくしく泣いてた。
チリコちゃんのママは有名なピアニストなんだって。
チリコちゃんにも立派なピアニストになってほしかったんだって。
でも、チリコちゃんは事故で手が動かなくなっちゃった。
ピアノを弾けない子はいらないって、捨てられちゃったんだって。
そんな理由でゴミになることもあるんだね。


今日は五年生の担任のクズノ先生が捨てられてた。
ゴミ袋の口から頭だけ出して、ニタニタ笑ってた。
クズノ先生の授業にはキケンシソウが混じってるって、苦情が来たんだって。
教育者としてフテキニンなんだって。
「何が正しいのか、いずれはっきりするさ」
クズノ先生の言うことはよくわかんないけど、
先生でもゴミになることがあるんだね。


今日、ぼくは捨てられた。
ゴミ袋に押し込まれて、
顔を出したら首のところで袋の口を結ばれた。
そのままゴミ置き場に運ばれて、
ポイッと捨てられた。
――なんで? どうして?
ぼくはゴミじゃない。
僕は泣いた。
泣いて、泣いて、泣いて、泣いて……。
どんなに泣いても、誰も助けてくれない。
ぼくはゴミじゃない。
絶対ゴミなんかじゃないのに。
――ああ、そっか。ぼくじゃなくて、他のみんながゴミなんだ。
みんな、みーんなゴミなんだ。
ぼくは泣くのをやめた。
捨てられたんじゃない、ぼくがみんなを捨ててやるんだ。
目の前をゴミたちが何人も通り過ぎていく。
ゴミ収集車がこっちに近づいてきた。




※2018年4月に執筆。

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