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あらすじ
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「10円くれ。」
と言い続けてもう100年になる。
街でナンパをしているギャル男たちの傍らでミスターおくれはせっせと街行く人から10円をもらい続けた。そんななか、奇妙な現象に気付いた。ミスターおくれに10円をくれた女の子たちは一様にギャル男たちからの誘いに乗らないではないか。不思議に思ったミスターおくれは、10円をくれた女の子に理由を聞いてみることにした。はじめ彼女らは「別にあいつらがタイプじゃなかったからだ。」と言っていたが、こっちが真摯に本当の理由を聞いてみると、あいつらは10円以下だと思うと告白してくれた。でも、そんな若者よりももっと非難するべき人がいるとも彼女らは言った。若者はある意味犠牲者なのだと言った。
ミスターおくれは驚愕した。見ず知らずの人に10円くれ攻撃するじじぃを、ギャル男たちよりも価値が高いと認めてくれる人間がこの社会に存在する ということに。そして、この社会をよりいいものにしたいと願う人が存在することに。ミスターおくれは決意した。この100年間に10円くれ攻撃で貯めた貯金をよりよい社会にするために使うことを。
ミスターおくれの奇跡がこれから始まる。
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