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あらすじ
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初めに、始まりの者が居た。 存在には性別も肉体も目的も意味も何も無かった。 ただ、膨大な力のみが有った。
自分以外必要としなくても在り、どんな事も出来ずに長い時だけが通り過ぎた。
時たまに削れた我が身が、意思も無く閃くのだけが綺麗だった。
流れていく中で自分の欠片が積もり、意味を得るのを興味深く見る。
それは一つ所に寄り集まり、何かを成しては朽ち、再生する事を止めない。
気まぐれに砕いた力がそれらに干渉して更に変化する。
魅入られたように繰り返す、自壊。
その度に違うものを映すそれらに始まりの者は果てしなく力を砕く。
終わりと始まりを数えきれない程繰り返すうち存在は全て欠片になり様々なものを産み出す最初の母になった。 原初の欠片は遍く核になり世界が産まれ、水をたたえ、地を作り、大気に満ち、火を灯す。
けれど散りゆく力、水は流れ散り大地は際限無く削れ大気は揺らぎ、火は他を道連れに消えゆ。
幾星霜の末、散る力は界を形成して世界の果てを得る、界は分離し光と闇を得た。
そして世界は生命を育み生物が溢れた。
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