あらすじ
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まだ飛行機も生まれていない遥か昔。この世界には二つの種族がいた。一つは人間。もう一つは空を飛ぶことが出来る種族「空族」。 空族は生まれながらにしてその背中に翼を持ち、自由に空を飛ぶことが出来る。一方、人間はどんなに空に恋焦がれても飛べない。空を飛びたいという欲望はやがて人間に愚かな選択をさせることになる。それは空族の血肉を食すれば自分たちの背中にも翼が生えるのではないかという噂。そしてそれは実行されてしまった。人間の空族狩りはとどまることを知らず空族は見る間にその数を減らしていった。 空族はなんとか生き残ろうとし獣さえ寄り付かない山奥で息を潜めひっそりと暮らすようになる。空族には厳しい掟がある。それは空を飛んではいけないということだ。空を飛べば人間に見つかってしまう可能性が出てくる。翼を持ちながらもそれを使うことを己に禁じる空族の中にあって一人、どうしても空への憧れを捨てられない少女がいた。その名もナーシャ。ナーシャはある日重大な決意をする。「行こう。」
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