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作品名:前立腺ガン奮闘記 作者:尾田久

第4回   4  診断確定
前立腺ガンの可能性が高くなった。治療方法が気になる。欧米では手術よりも放射線の方が多いらしい。手術の後は尿洩れが多いらしい。それを避けるには、医者に頼み込んで放射線か重粒子線の紹介状を書いてもらうらしい。特に重粒子線は2年前に保険適用になり、副作用も少ないとか。しかも、家から通える場所に重粒子線を扱うCセンターがある。
B病院では手術だけで、放射線も重粒子線もない。頼んだら紹介状を書いてくれるだろうか?

10日ほど経って、生検の結果を聞きに行く。12ケ所のうち1ケ所にガンがあった。悪性度は中レベル。
そして治療方法の話になる。僕は緊張して先生の言葉を待った。先生はあっさりとCセンターを勧めた。但し、転移がないのが条件だ。それを確認するためCTとMRIを撮った。
転移が無ければ、僕は紹介状と生検組織や検査画像のデータを受け取り、Cセンターへ行くのだ。

連絡がくるまで10日くらいだっただろうか。落ち着かいな日々だ。転移があればB病院で手術になるだろう。さらに、転移の場所やステージによって手術や抗ガン剤になる。
病気で死ぬならガンが良いという説がある。寝たきりにならず、死ぬ少し前まで元気でいられる事が多いからだ。僕もそれが良いと思っていた。だが、実際にガンになると、そう単純な話ではない。
余命3月と宣告されたなら、認知症や寝たきりよりもガンで死ぬ方がましだ、と思えるかもしれない。

転移はなかった。Cセンターの広い待合室は患者であふれていた。2時間ほど待って、診察室に入ると医者が言った。「あなたは、しっかりと歩けますね」。元気だから手術で良いだろう、の意である。Cセンターには重粒子線だけでなく、放射線も手術もあった。重粒子線は申し込みが多いようだった。
手術ではなく重粒子線を希望する理由を聞かれた。手術は尿洩れが多いと聞いたのは知人のまた聞きだった。それでは弱いと思った僕は得意のSFにした。
「会社時代の先輩が手術をしていたので、相談に行った。先輩は尿洩れに悩んでいて、手術はダメだ、止めろと強く言われた」。
センパイ・フィクションを聞いた医者は僕の希望を認めたが、それに沿えるかは後日のカンファレンスで決まると言う。そして採血とCTをして帰った。

僕は気になる事があった。Cセンターの見立てでは、生検のガンは2ケ所、悪性度は高い、とB病院よりも厳しいのだ。Cセンターにはガンのノウハウがあって、B病院よりも詳しいと思えた。すると、B病院が転移を見落としていて、Cセンターの検査で見つかるかもしれない。この不安は3週間続いた。


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