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作品名:お散歩ペンギン 作者:光石七

第6回   『勝手な願い』『A liar』

『勝手な願い』


元気でいてほしい
幸せであってほしい
そう思う相手が増えた

自分のことで手一杯の私は
手助けなんて何もできないけど
笑っていてくれたらいいなと
勝手に思う

エゴか偽善か
やはり私も人だったらしい





『A liar』


一人でいい
放っておいてよ
涙も出ないまま投げつけた言葉

どうせ私は要らないんでしょ?
だったらいいよ
そう言って膝を抱えた

本音のつもりだったけど
違ったらしい
一人を選択したのは自分なのに
寒さが辛い

ウソツキ
ウソツキ
ウソツキ

心が叫ぶ
誰かに向かって

……アタタメテ
ソバニ イテ
ダキシメテ

見ないふりをしていた心の奥底

オネガイ
オネガイ
タスケテヨ
ワタシヲ スクッテ

溢れ出すSOS

オネガイ
ダレカ ワタシヲ――

身勝手だとわかっているから
最後まで言えない
身勝手だとわかっていながら
求める声を抑えられない

この目から
曇った歪なレンズが取れるのは
いつだろうか
                         
                         


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