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作品名:お散歩ペンギン 作者:光石七

第2回   『成長』『鎖』

『成長』


いつ頃だろう
「正直」や「平等」を説く大人が
嘘つきで不公平だと気付いたのは

軽蔑しながら
いつのまにか
僕もそんな大人になった





『鎖』


人に迷惑をかけない死に方を考えたことがある
だけど
そんなもの無かった

人間は面倒臭い
そう結論付けて諦めた

誰にも気付かれないまま
すっと消えることができたら
楽なんだけど
存在したという痕跡も人の記憶もすべて消せたら

それは虚しい空想
結局人は人につながっているらしい
笑うしかないんじゃない?

誰の手も煩わせない人生なんて不可能だ
衣食住何もかもが自給自足なんてあり得ない
間接的にでも誰かのお世話になってる
生まれる時も自分一人の力ではないし

「誰にも迷惑かけてないだろ」
そんな台詞、とても言えない
かけたくなくてもかけてるんだから

どうやっても何らかの形で人とつながっている
もう、笑うしかないよね
                       
                       


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