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| 『成長』
 
 
 いつ頃だろう
 「正直」や「平等」を説く大人が
 嘘つきで不公平だと気付いたのは
 
 軽蔑しながら
 いつのまにか
 僕もそんな大人になった
 
 
 
 
 
 『鎖』
 
 
 人に迷惑をかけない死に方を考えたことがある
 だけど
 そんなもの無かった
 
 人間は面倒臭い
 そう結論付けて諦めた
 
 誰にも気付かれないまま
 すっと消えることができたら
 楽なんだけど
 存在したという痕跡も人の記憶もすべて消せたら
 
 それは虚しい空想
 結局人は人につながっているらしい
 笑うしかないんじゃない?
 
 誰の手も煩わせない人生なんて不可能だ
 衣食住何もかもが自給自足なんてあり得ない
 間接的にでも誰かのお世話になってる
 生まれる時も自分一人の力ではないし
 
 「誰にも迷惑かけてないだろ」
 そんな台詞、とても言えない
 かけたくなくてもかけてるんだから
 
 どうやっても何らかの形で人とつながっている
 もう、笑うしかないよね
 
 
 
 
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