『飛べないペンギン』
「翼があれば飛べる」 誰がそんなことを言ったのでしょう? 翼があっても飛べない鳥だっているのに
足が短い 歩く姿が不恰好 移動が遅い 寸胴体型 コンプレックスの塊になっていたペンギンは 空を自由に飛んでいる鳥たちを 羨望のまなざしでみつめました
――あんなふうに飛べたらいいのに
ペンギンは崖からジャンプしては羽をはばたかせ 飛ぶ練習を始めました 何度も何度も 時には転んでけがをします それでも何度も練習するのです
「ペンギンは、空を飛ぶようにできてないんだよ」 「その分泳げるんだから、それでいいじゃない」 仲間の言葉に心が傷つくことがあっても ペンギンは飛ぶ練習を止めることができません
ペンギンは何をしたいのでしょう? ペンギンは何を望んでいるのでしょう?
自分でもよくわからないまま ペンギンはもがき続けています
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