<あとがき>
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 二人だけで暮らしている双子、最初と最後のシーンのイメージ、それだけで書き始めてしまった本作でしたが、なんとか形になったでしょうか? 楽しんでいただけたなら幸いです。 登場人物は日本人と日本文化に傾倒する外国人という設定にしました。それは、現代日本を舞台に日本人だけを登場させると実際の法律との兼ね合いが気になるし、スケールが小さくなりそうだったから……でした。逆に完全に外国を舞台にしてしまうと、文化や習慣、考え方などが自分の理解を越えてしまう。現代に近い設定で科学的な部分も扱うので(「どこが?」と突っ込まれそうですが)、妥協点を探したというわけです(苦笑) さて、ここで作中のネーミングについて少し述べたいと思います。
水内遊星 水泳選手っぽい名前かなと思い命名。
ナッド・ミラー マッド・サイエンティストという設定から、「狂った鏡」という意味合いを持つ名前を思いついた。「マッド」はあからさま過ぎると思い、「m」を「n」に変えた。
アンジュ フランス語の天使だし、日本人でも通用しそうな名前だと思って命名。
グン・ジニアス・ミラー&リン・ジニアス・ミラー ミドルネーム「ジニアス」は父親の期待そのままで「天才」の意。UMA.mさんより語源には「守護神」という意味があるとの情報をゲット、ちょっと深みが出た(笑) リンのほうが先に名前が決まった。響きが好きで、前から使いたかった名前。フランス語の“lune”(月、読み方は「リュヌ」)を訛らせたという建前もあり(苦笑) グンはリンの名前が先に浮かんだので、それと対になる響きを探した。太陽を意味する言葉も考えたが、イメージとは違うので却下。リンとグンで「リング」も連想できるし(輪=永遠)、グン&リンに落ち着いた。
サム・バトラー 英語の“some”(何か)と“butler”(執事)より。執事のような何か、そんな意味を込めて命名。
『マザー・クレイドル』 英語表記は“Mother Cradle”。クレイドルは「ゆりかご」のこと。人工子宮にぴったりではないかと思い命名。
『Canaan』『カナン』 旧約聖書より拝借。神がイスラエルの民たちのために用意した乳と蜜との流れる豊かな地。モーセが彼らをエジプトから脱出させて連れて行こうとした場所のこと。
『ラヴィ』 フランス語の“la vie”(命、人生)とユダヤ教の先生を意味する「ラビ」を掛けて命名。本来は受精卵の遺伝子情報を書き換える装置。
ヌシエル共和国 「ヌシエル」は、堕落して悪魔になった天使ルーシェル(ルシファーとも)の韓国語。悪魔のような国、ということで命名。
『リソルヴァン』 グンが作り出したバクテリア。「分解する」という意味の英語“resolve”をもじった。
『リソルヴァン・ボム』 グンが開発したリソルヴァンを爆弾状にした兵器。特に人体を選別して分解するようにしてある。リソルヴァンの爆弾、ということで単純に命名。
『ニュートロン・ウィルス』 グンが開発した高濃度の中性子線を放射するウィルス。中性子線は透過度が高く(壁を通り抜ける)、浴びると被ばくする。実際あり得ないだろうと思いつつ、危険っぽくていいかなと命名。
『ファルシファー』 記憶操作のための装置。「偽造する」という意味の英語“falsify”より。
必死に知的な印象、科学的な印象を与えようとしたのがわかりますね(笑) ご意見、ご感想、疑問等あればお気軽に雑談掲示板にお書きください。どなたでも書き込める設定にしてあります。 最後に、私の妄想にお付き合いくださった皆様に重ねて感謝申し上げます。
2013年8月末 光石 七
|
|