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作品名:乾いた傷痕、届かぬ礫 作者:光石七

最終回   あとがきに代えて
                                         
                                         
傷つけたり傷ついたりするのは一瞬なのに
傷を癒すのは長い年月がかかる
その傷が深ければ深いほど
癒すのは容易ではない

もっとも深い傷を与えるもののひとつが
言葉の礫だと僕は思う

僕はできるだけ礫を人に投げたくない
投げるなら自分に投げたほうがいい
優しいんじゃない
臆病なだけさ
人を傷つける勇気がないだけ

みんな大なり小なり傷を抱えてる
触れられたくない傷もあるだろう
僕もそうだから
でも、傷が乾いたら
誰かに見せるのも悪くない
笑ってもらってもいい
僕も笑うから
怒ってもらってもいい
少ししみるけど傷の消毒になるから
泣いてもらってもいい
僕の心を洗ってくれる清水だから

そうして僕は少しだけ前に進む

                                           


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