20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:コップの中の狂想曲 作者:光石七

第8回   日常
『日常』


なんだか疲れて
どこか遠くへ行きたくなることがある
でも、どこにも行けない

何もかも忘れて眠ってしまいたい時がある
でも、眠れない

何も見ず
何も聞かず
何も感じず
石になりたい時がある
でも、自分に赤い血が流れていることに気付かされる

生きることがこんなに大変だとは
それでも漠然と明日を信じて今日を過ごす
明日なんてわからないのに

傍から見れば恵まれているのかもしれない
贅沢なのかもしれない
そう思っても僕は自分が幸せだとは感じない

どんな時も僕を支える何か
僕の心の隙間を埋める何か
それが手に入れば僕は幸せだと思えるだろうか
そんなものがあるのか保証はないけれど

わずかな夢にすがって
今日も僕は幸せではない一日を過ごす


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 1116