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作品名:コップの中の狂想曲 作者:光石七

第3回   In the cup
『In the cup』


ねえ、僕の瞳に最後に映るのは何だろうね?
偽りと真実が
絶望と希望が
入り乱れてるこの世界
最後に僕が目にするのはどちらだろう?

僕にはなんの力もない
世界を変えるなんて大それたことは言えない
それでも何かが変わってほしいと願いながら
今日を生きる

僕が望むのは偽りか真実か
絶望か希望か
僕自身もわからない

何かに渇き
何かに飢え
何かに怯え
何かを求める

いま目の前に差し出されたなら
僕は迷わずそれを受け取るだろう
たとえそれが幻でも

僕がいるのはコップの中
コップを揺らされて
その振動に耐えながら
振り回されながら
狭い世界でもがいている

僕が最後に見るのも
結局コップの中の景色
それでも僕は願うだろう
この世界の平安を
愛する者たちの幸せを


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