<あとがき>
 
   最後まで読んでくださり、ありがとうございました。  アルのシスコンと成長、ユリアの悩みと心の解放を大きな軸としたつもりですが、うまく伝わったでしょうか?
   文章の上手下手は別ですが、書きたいことは全部収められたし、楽しんで書けたので、作者としては満足しています。読まれた方の心にも楽しかったという印象が残れば嬉しいです。
   裏話を少し。
   『THE PLACE』を書いているときから、アルの設定は既に決まっていました。ユリアが姉なら絶対生まれてくるのは弟でシスコンだと。どう書けばシスコンぶりが伝わるか、初めは手探りでしたが、だんだん勝手に動いてくれるようになりました。  ユリアは「本当の自分を見てほしい、評価してほしい」という人間の欲求をデフォルメしたつもりです。  レジーはユリアの相手役としてどういうキャラにするか少し悩みました。結果的に、『THE PLACE』で作った世界や制約に助けられた感じです。ちなみに本当に男子を女子として育てる風習があったかはきちんと調べていません。前作でセイラを男装の麗人にするための設定でした。  前作から登場しているキャラたちは基本性格は変わらないので、アル同様自分で動いてくれました。ところどころ入れたコメディの要素も、登場人物たちが作り出してくれたと思っています。  前作は中世っぽさを出すためにフランクな表現(キス、キレる、イカレる等)を避けましたが、今回は二世のお話になるので、多少現代風でも大丈夫ではないかと解禁した部分があります。
   細かい部分はさておき、読まれた方が何かしら感じてくだされば何よりです。    私の空想(妄想)にお付き合いくださった全ての皆さんに、重ねて感謝申し上げます。
 
  2013年2月下旬
  光石 七 
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