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作品名:自然との共生 作者:本条想子

最終回   1
     「自然との共生」

                          本 条 想 子

 あなた方が立ち止まっていても、地球は動いています。
 地球は、時速約1670kmで自転しています。
 地球は太陽を時速約10万kmで公転しています。
 太陽は、天の川銀河を時速約80万kmで公転しています。

 太陽系は、約2億2千万年から2億5千万年かけて天の川銀河を1周し、46億年の歴史からみると、20から25回くらいは回っているのです。

 天の川銀河の中心には超大質量ブラックホールがあるとみられています。

 そして、銀河は、時速約216万kmで宇宙を移動しているのです。
 見えているものは、時速約10.8億kmで目に飛び込んできているのです。

 地球上で、起こっている事を見ようとしなければ、感じられません。

 でも、意思を示さなければ、これで良いと思われるのです。

 思考が停止したら、超大質量ブラックホールらしきものに振り回されてしまうのです。



 人間の欲求は、なんなのでしょう。日本人は考えるのを止めたのでしょうか。今日が食べられればいいと思っているのでしょうか。明日を考えられなくなったのでしょうか。現在に満足しているわけではないでしょう。1960年代に学生運動をしていた学生が大人になって築いた社会は、その時の考えたものなのでしょうか。いや、真逆な社会が出来たのではないでしょうか。

 自然エネルギーの開発を、化石燃料の安さに甘んじて、おろそかにして来たのではないでしょうか。そして、恐ろしい国を見誤ったのです。サプライチェーンも、甘く見た付けが回ってきました。危険な国が牙をむいた時、今まで安く手に入れてラッキーと思っていたのが、とんだしっぺ返しに合っているのです。
 なぜ、人間は動物とは違う賢さを持てないのでしょうか。なぜ、危険なものに対処する知恵を持てないのでしょうか。擦り寄るばかりが、対処方法ではないのです。

 コロナ禍だから起こったウクライナ侵攻なのでしょうか。一番は世界中が、自然エネルギーへの転換を軽視したからではないでしょうか。
 自然エネルギーは、太陽光発電や風力発電・潮流発電・地熱発電・バイオマス発電などがあります。しかし、化石燃料から脱客できないところに、危険人物がつけ込んだのです。しかし、世界中の民主主義国家が協力してエネルギー問題に、今は耐えています。



 電気は、自然界から取り出せばいいのでしょう。今までのようなものでもない物もあります。人間だって電気信号で動いています。電気ウナギは、500から800ボルトの電気を出します。アルカリ乾電池(1.5ボルト)300個から500個以上と言われています。オリエントスズメバチは、シマの茶色の部分で太陽の光を受けて、黄色の部分で電気を作っているらしいのです。

 植物は太陽の光で光合成をしてエネルギーにします。硫黄や水素といった化学物質を使ってエネルギーを作り出す生き物もいます。これらの生き物のほかに、電気をエネルギーにする生き物が深海にいるのです。それは、電気をエネルギーにするバクテリアです。発見されたバクテリアには、とても弱い電圧を強くする力があるのです。


 落雷の電圧を約1億ボルト、電流を20万アンペアとして計算すると、雷のエネルギーは200億キロワットになります。東京電力の1日の電力供給量が3850万キロワットとすると、519日分賄える計算になります。また、日本の年間電力供給量が1兆キロワットとすると50本の落雷でいいのです。

 日本では、宇都宮市など北関東が雷の多い事で知られています。世界では、南米ベネズエラのマラカイボ湖がギネス記録で、一年間に120万本もの稲妻が走るという雷多発地帯です。
 避雷針を立ててこれを集めて電力に出来たらどんなにいいでしょう。雷電流は瞬間的で、およそ1千から1万分の1秒しか続かないのは問題です。電気を貯める技術が確立されれば、雷から発電が出来ることになります。
 しかし、雷は約1億ボルトといわれ、家庭用の電気の強さが100ボルトなので100万倍もの強力なエネルギーでは蓄電が難しいようです。

 ただ、金沢市における高さ65メートルの避雷針を用いた実験は、注目されます。それは、大気中に存在する雷にならない程度の比較的低圧の静電気を回収して電力として利用する大気電流発電です。その実験は、雷が多い冬の1ヶ月間で105回の電流を計測したというのです。その電気量は推定で、一般家庭1ヶ月分の平均電気使用量340キロワット時を賄える400キロワット時相当ということです。
 また、世界的な脱酸素社会の流れで、燃やしてもCO2を出さない水素エネルギーも注目です。しかし、天然ガスや石炭など環境負荷の高い方法で生産されたら意味がありません。


 色々な惑星を見て来ましたが、太陽系のような連星ではないところに、地球のような知的生命体が住んでいました。連星では安定的な惑星は存在しないので、生命が誕生しなかったのでしょう。ましてや、存在しても知的生命体には育たなかったのでしょう。
 生命に必要なのは、栄養分です。酸素と水があればそれは成り立ちます。しかし、今、地球では温暖化のさなか、エネルギー問題や食糧危機、物価高が起こっています。知的生命体は1万年経っても、自然エネルギーを作るのもままならないのでしょうか。

 エネルギー問題が起きていない惑星もたくさんあります。木を伐り、家を建て、木を燃やし生活して、みんな仲良く暮らしているのです。
 ただ、地球のように、薪から石炭、石油、ガス、原子力などを使うようになった惑星は悲惨な末路を辿っています。いつも、エネルギーの奪い合いや領土の奪い合いになっているからです。
 エネルギーを化石燃料ばかりに頼ってはいけないと気付いた知的生命体の惑星は、独自の自然エネルギーを生み出して、無秩序な人口爆発を許してはいないのです。
 
 エネルギーだけでなく、10人の惑星、それは10人で分けられる分だけ作り出せばいいのです。100人なら100人で分けられる分だけ作り出せばいいのです。1万人なら1万人で分けられる分だけ作り出せばいいのです。100万人、1千万人、1億人と増えると計算ができなくなってしまうのでしょうか。必要以上のものを作り出し、無理して買わせようとしています。それが正しいという至上経済主義ができあがり、持てない人が負け組で、持てる人が勝ち組となっていることを自慢しているおかしな世界です。これは、弱い者から強い者が詐取しているだけです。また、買わせるとか販売するとかで、人口が多い方が良いという算数しか出来ない考えが、世界中を支配しています。なんで、貧しい人を増やし、少数の人間に支配されなければならないのでしょうか。確かに、共産主義は大失敗をしました。単に、非民主国家を増やしただけだったのです。

 発展途上国の中には、貿易やグローバル化そしてサプライチェーンなど耳障りのいい言葉に惑わされ、その実態はモノカルチャー経済に苦しんでいます。主食にもならない商品作物を独裁者や軍隊を持つ権力者などに強制栽培させられているのです。

 生産のために、地球そのものを壊しています。その犠牲は、弱い者へしわ寄せが行きます。無駄な物を作らなければ、ここまで地球が破壊されなかったでしょう。



 地球は今、地質年代でいうと顕生代第四紀完新世で、更新世約258万年前から始まった第四紀氷河時代(地球の気候が寒冷化し、大陸氷河が存在する時代)です。4万年から10万年周期で氷床の発達(氷期)と後退(間氷期)を繰り返してきました。現在は、氷床の後退期で氷期が終わって1万1700年(完新世の始まる時期)経過しています。また、最終氷期に最も氷床が拡大したのはおよそ2万1000年前で最終氷期の最寒冷期と呼びます。最終氷期は専門家の間でも議論があるところです。これまでの記録によると間氷期は毎回約1万年で、更新世中期のチバニアン(78万1000年前から12万6000年前)以後は10万年周期で、それより前は4万年周期だったのです。それゆえ、10万年周期での氷期がいつ始まってもおかしくなく、今後10万年続く氷床の発達となる氷期へ地球が突入するのです。

 氷期は、後期更新世(12万6000年前から1万1700年前)で起きているのです。氷期では、海から蒸発した大量の水分が雪氷となり陸上に蓄積されるため、海面が間氷期に比べて最大120m程度降下しました。
 世界中で気温が低く、ほとんどの場所が乾燥し砂漠化し氷床も拡大しました。熱帯雨林も無傷ではなく落葉樹林が拡大し、わずかな草原があるだけです。世界の平均気温は、最も氷床が拡大した2万1000年前で9℃だったのです。それは、現在よりも約6.1℃低いものです。そして地球温暖化の中、パリ協定で世界共通の長期目標としての2℃目標の設定と1.5℃に抑える努力を追求することを謳っています。つまり、平均気温9℃の世界で起こる異常気象は、考えると末恐ろしいのです。

 その氷期が地球温暖化により、早期に突入する予兆があると海洋学者らが指摘しています。温暖化によって北極の氷が溶け、北大西洋の深層海流を循環させる働きが弱まりやがて流れが止まり、北アメリカ大陸とヨーロッパが急速に寒冷化し、一気に氷期が訪れるというのです。今までは、赤道付近で暖められた水を北へと運ぶ深層海流は北アメリカ大陸とヨーロッパの気候を温暖に保つ役割を果していたのです。

 大きな氷河時代は、太古からありました。24億年前から21億年前のヒューロニアン氷河時代、8億5千年前から6億3500年前のクライオジェニアン氷河時代、4億6千年前から4億2千年前のアンデス―サハラ氷河時代、3億6千年前から2億6千年前のカルー氷河時代です。そして約258万年前から始まる第四紀氷河時代の真っただ中にいます。それら氷河時代の中で、全球凍結があったのです。


 惑星に住む知的生命体の歴史を考えた時がありました。その時、興味深い地球について議論したのです。この宇宙に住む限り、宇宙の摂理に抗う事は出来ないのです。太陽と共に地球も天の川銀河を回っているのですから、時代ごとに天変地異が起こっていたのです。

「地球の現在は、第四紀氷河時代で氷期と間氷期が10万年周期で動いているのですね。間氷期が毎回約1万年とすると、今度は氷期の10万年となる氷床の発達が始まるわけですね」

「258万年前からを考えると、まだ人類の祖先のアウストラロピテクス(猿人)やエレクトス原人、北京原人(約50万年前)、ネアンデルタール人(約23万年前)、ホモサピエンス(約20万年前)そしてクロマニョン人(約5万年前)が出現してきた時代ですね。氷期との戦いは、凄まじく困難を極めたでしょうね」

「幾度となく、挫折を味わったでしょう」

「そんな氷期を迎えようとしている地球人が、まだ非民主的な考えで戦争を起こすなんて、エゴそのものです。温暖化で永久凍土が溶け、炭疽菌や天然痘ウイルスなど感染力の強い危険な細菌が空気中に放出されてしまう恐れを感じ初め、国土の65パーセントが永久凍土ですから焦っているのですかね」

「ロシアは地球温暖化を当初、耕作地が増え、北極海航路が開け経済的観点から最重要地域と位置付けていましたね。しかし、温暖化はロシアが世界のどの地域よりスピードが速く、地球全体の2.5倍の気温上昇が起きています」

「ロシアはパリ協定批准に、197か国で187番目だったですよね。」

「氷期の心配だけではなく、地磁気逆転という天変地異もありますね。地磁気逆転は360万年前から11回はあったようです。地球のバリアである磁場が弱まり、最高テクノロジーが破壊されるかもしれません。最後の地磁気逆転は77万年前で、今度いつ起こってもおかしくありませんね。チバニアンには、地磁気逆転がありました。その時は植物に影響がなかったらしく、人類にも影響がなかっただろう言われています。しかし、その時代には精密機器はなかったですよね」



 地球には残された時間は短いかもしれません。太陽が公転しているがゆえにその軌道で、必ず氷期は訪れます。それを、戦争に明け暮れるのか、人類の幸福を第一に考えた生き方をするのか考えてみてください。その前に、原子力発電や核戦争の暴走によって、破滅するのか地球に住む人類の賢さが試されているのです。地球では46億年の中で、最古の人類サヘラントロプス・チャデンシスや人類の祖先から600万年は狩猟採集の時代がありました。寒冷化にも負けず、地球の気候と戦ってきた歴史があります。これからの知的生命体は、氷期と戦えるのでしょうか。地球人は知的生命体ではなく、猿人や原人と変わらない存在で、10万年の氷期に負けて猿人からやり直すのでしょうか。


 農耕民の歴史が1万年と言われますが、産業革命から300年で破壊した地球の再生に挑戦してみてください。地球を壊したからと言って、他の惑星を考えても子供の玩具ではないですから、他はない事を知るべきです。

 地球のダイナミックな天変地異は、知的生命体にも計り知れないものがあります。しかし、今の人類に出来る事があるのです。


 土壌の中に含まれる炭素量は、大気中にCO2として存在する炭素量の2から3倍の1兆5000億トン相当が含まれています。しかし、人類の農耕により4500億トンが大気中に放出されました。その量は、化石燃料の燃焼により放出された炭素量2700億トンを大きく上回るのです。
 気候変動対策によって、人為的なCO2の排出を削減するばかりではなく、従来の農法ではない環境再生型農業へ転換されなければならないのです。

 それは、カーボンファーミングです。土壌の質を向上させることで温室効果ガスの排出を抑制して、大気中のCO2を土壌に貯留できるようにする農法です。つまり、自然の炭素吸収源を復元して保護する農業です。


「もう肥料も農薬も値上がりして、農業はやっていけない」

「でもお隣さんは、牛も飼い作物も栽培して、収入も上がっていると聞いているよ」

「どうやっているか聞きに行こうよ」

「農地は耕せばいいというものでもない。耕すと、土の中にいるミミズや菌を殺してしまう。うちの土を見てくれ、茶色で硬い土ではなく、黒く柔らかいだろ。これは、黙っていても土が作物を栄養たっぷりに育ててくれる。この土は団粒構造をしているのさ。肥料や農薬もいらない。農薬は土壌によくない。肥料代も馬鹿にならない。
 そして、今問題のCO2だって土が吸収するから作物にはいいのさ。それに、水はけも良く、大雨でも作物は育ったよ。
 牧畜だって、飼料を使わずに区画を置いて、循環的に使うと牧草もよく生える。牛の糞が肥料になり、牛の飼料はいらなくなる。一石二鳥で、採算が取れるのさ。
 干ばつにも水害にも強い農業だよ。これが、カーボンファーミングというもさ」

「耕して、生き物たちの家を壊し、食べ物も奪っていたわけか」

「洪水の被害も、耕作が土壌の保湿効果を壊していたのか」


 ゲイブ・ブラウンさん(アメリカ中西部ノースダコタ州での農業)
土の健康5原則
1・土をかき乱さない(土を耕さない)            
               生き物たちの家を壊すから
2・土を覆う(被服作物を植える)
               風や水から守り、水分を保つ
3・多様性を高める(数十種の野菜や穀物、花を一緒に育てる)
               土の栄養分が偏らず、土が豊かになる 
4・土の中に「生きた根」を保つ(一年中、何かしらの植物を育てる)
               炭素化合物や微生物から栄養分をもらう
5・動物を組み込む(牛、豚、羊、鶏など密集放牧で区画を回す)
               糞尿から肥料代をうかせる
これに自然条件や経済状況に合わせたやり方を取り入れる「背景の原則」加え、現在は6原則と呼んでいます。


 耕すと土をかき乱します。土壌粒子がくっついて小粒の粒子になったものを団粒と呼びます。団粒構造とは団粒が更にくっついて集合体となったものを指します。そして、土壌粒子をくっつけているのは土壌中の陽イオンや粘土鉱物、腐植などの有機物、ミミズや微生物、植物根の分泌物、カビの菌糸などです。

 発達した団粒構造は雨などで濡れても壊れない耐水性を獲得しており、これには生きた植物の根によって団粒が固められることが重要と考えられているのです。他方、土壌粒子がバラバラの土は、単粒構造と言います。

 団粒構造の発達した土壌は柔らかくフカフカで野菜の栽培に適しています。単粒構造の詰まった固い土では植物の根は伸びにくく酸素不足になりやすいため農業には不向きということです。

 単粒構造の土壌は雨が降り、ベタベタになり乾燥するとカチカチに固まります。団粒構造は、団粒の外には大きな隙間があり、団粒の内部には非常に狭い隙間(毛管孔隙)があります。この2種類の隙間があることが重要で、雨が降ったり潅水(人の手によって農作物に水を与えること)を行ったりすると団粒の外側の隙間は大きいので、水が流れ落ち、空気が蓄えられます。団粒内部の隙間には浸透した水が保持されます。これが作物の栽培に適した保水性、通気性、透水性に優れた水持ちが良くて、水はけがよい土の正体です。


 環境再生型農業には、リジェネラティブ農業と呼ばれる農法もあり、土壌の有機物を増やすことでCO2を貯留し、気候変動を抑制する効果があると考えられています。
 不耕起栽培をはじめ有機肥料や堆肥の活用など古くからある農業技術がベースとなっています。不耕起栽培は土壌へのCO2貯留という点においてだけでなく、農業従事者の省力化や土壌に生息する生物の多様性が促せるなど様々な面でメリットが多く、アメリカやヨーロッパで推奨され再生型農業として広く取り入れられている栽培方法です。

 化学肥料や農薬の使用、機械化などにより農業の生産性が高まっていった一方で、過度に生産性を追求した管理方法により、温室効果ガスの発生や生態系への影響など農業自体が環境への負荷の原因になってしまったのです。

 温室効果ガス排出量を実質ゼロにするための取り組みとして リジェネラティブ・オーガニック認証制度の基準があります。第三者認証機関であるリジェネラティブ・オーガニック・アライアンスが審査しブロンズ・シルバー・ゴールドといったレベル別に認証ラベルを使用できるという仕組みになっているのです。


 牛の排せつ物から発生するメタンが、環境に悪影響であると聞いたことがあると思いますが、狭い場所で無理な飼育を行うことで牛の排せつ物を微生物が分解できる限界を超えると、環境に影響をもたらします。
 特に畜産業では、窒素やリンなどが大量に使われている傾向にあり、これらが過剰になると環境への負荷が高まってしまいます。土壌は大気や植物以上に炭素を貯めることができると言われていますが、その土の特性や環境などによってもどの程度炭素を貯め込むことができるのかは異なります。
 それでも、リジェラティブ農業はCO2の吸収と隔離を行うことで、地球温暖化の抑制に効果がある農法だということです。



 他国からの侵略は、危機そのものです。しかし、軍拡ではなく「10万年氷期危機」を世界で協議して対策を急がなければ、地球人は滅びます。国連は機能できるでしょうか。46億年の歴史の中で、氷期に初めて立ち向かう知的生命体の姿勢を見せる時なのです。人を殺す武器ではなく、人が生き残るための機器や施設、食糧、エネルギーなどを創り出すことができなければ、知的生命体は地球に存在しなかったということになります。


 産業革命以前はCO2濃度が240ppm(100万分の1)だったものが、人間活動により280ppmに増加したから氷期が回避されたとか、ミランコビッチサイクルの日射量が多いからとか、現在は400ppmだから3万年から5万年は氷期が来ないので、その頃には気候を制御できると考えるのは早計で傲慢過ぎます。1万年の間氷期で、人類の歴史は戦争の連続です。3万年や5万年かけても知的生命体としての地球人は成長しないでしょうから、到達できない距離に恒星は離れていることを知るべきです。

 猿人や原人が、また600万年かけて知的生命体になったとしても、今のままでは戦争に明け暮れる人類の歴史を繰り返すだけです。知的生命体なら、地球規模の温暖化を遅らせ、氷期でも生きられる環境を地上と地下に準備しなければならない時です。

 西暦2100年の大気中のCO2濃度は、人口増加と化石燃料の使用の継続で1000ppmを超えるとか、白亜紀(1億4500万年前)は2000ppm、古生代石炭紀(3〜4億年前)には2万ppm、6億年前には20万ppmだった時代があるとかで、どの時代においても地球が金星のように高温化して全生物が消滅したという事実はないとか言える状況にないのです。


 現代の知的生命体が10万年の氷期を生き延びることができたならば、他の恒星の惑星へ行けるでしょう。1万年の間氷期を何度繰り返したら、やさしい知的生命体に成長できるのでしょうか。もしかしたら、全球凍結で人類は消滅してしまうのでしょうか。太陽の寿命50億年のうちに何度繰り返されるか分からない間氷期を知的生命体は、侵略戦争と至上経済戦争に明け暮れるのでしょうか。そうではなく、やさしさに包まれた文明を、現代で築けるのでしょうか。

 地球にオゾン層が形成され、陸上生物が住める環境になるには、40億年以上もかかっているのです。ましてや、知的生命体が存在すのは、この間氷期の1万年の中でした。この機会を手放したら、太陽の寿命と共に消え去るのみです。



参考資料

 ウィキペディア

 NHK BS101 地球事変 GIGA MYSTERY 「氷河期」

 NHK BS101 カーボン・ファーミング▽気候変動対策で注目の環境再生型農業

 「CO2温暖化説はねつ造」 東京工業大学 主任研究者    丸山茂徳氏 

 Yahoo!JAPANニュース 2018.6.3  
  東京大学未来ビジョン研究センター教授/国立環境研究所  江守正多氏

 日本古生物学会第165回例会 2016年1月29日  
  白亜紀の温室地球時代における海水温と海洋循環 早稲田大・地球科学 守屋和佳氏


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