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作品名:真実はいつも六つ!!(ああああ、また二次創作だ、すみません) 作者:ジン 竜珠

第3回  
 灰○はまたシニカルな笑みを浮かべて言った。
「ベ○モットだけど……。彼女、ボスのクローンよ」
「……な、に!?」
「もちろん、ボスが健康な頃の細胞を使っている、ね。他にも何人かいるわ。名前までは知らないけれど。でも、その中でも一番のお気に入りがベ○モット。彼女、ボスの体調が悪くなるたびに、血液や体の細胞を取られている。いわば、ボスの体のスペア扱いされているの。彼女、いつもクールに振る舞ってるけど、案外、内心では戦々恐々としてるんじゃないかしら? いつ、心臓を寄越(よこ)せ、ううん、体そのものを寄越せ、っていわれるか、ってね」
 灰○は、さらりと恐ろしいことを言う。
 もっとも、その事実が、あることをコ○ンに気づかせた。
「ちょ、ちょっと待て! 確か、組織のボスは烏丸蓮耶、男のはずだ!?」
「フェイクよ」
 灰○はあっさりと言ってのける。
「アメリカではジョニー・ブラックマン、フランスではマダム・ノワール、イタリアではジャンマルコ・ガッロネーロ……。世界中、あちこちにいるのよ、ボスのダミーは」
「ノワールは『黒』、ガッロネーロは『黒い鳥』、ブラックマンは、そのまま『黒き者』……」
 考えれば世界を股にかける巨大組織だ、世界のあちこちに偽の「痕跡」を用意することは十分に考えられる。
「それにボスは日本人」
「なん、だと……!?」
「APTX4869。この『4869』で『シャーロック』なんて語呂合わせができるのなんて、日本語だけ。この薬の名付け親はボス。そういうことよ。つまり、クローン体であるベ○モットも、日本人。整形で外国人に見せかけているけど、DNA鑑定にかけたら、日本人であることがわかるわ。彼女があたしを執拗に狙うのも、ある時に彼女の組織検査をして、あたしが真実を知ってしまったから」
 まったく、驚愕の事実ばかりだ。
「それからね、ボス、あなたのこと、とうに気づいているわよ」
「んな…………ッ!?」
 心臓が止まるかと思うほどの衝撃が走った。
 それが少し落ち着くのを見計らったように、灰○は間を置く。
「いいかしら、○藤くん?」
「あ、ああ。……ボスが、俺のことに気づいているって……」
「ボスのメールの音、『七つの子』だったっていう記憶、持ってる? もしかしたら、組織のメンバーの、メール着信音かも知れないけど?」
「あ、ああ、覚えてるけど?」
「七つの子……つまり、七才の子で『小学一年生の子供』ってことよ」
「…………気づいていて、どうして俺のことを、放っているんだ?」
「さあ?」
 と、灰○は面白くもなさそうに応える。
「実は、私も何周か前になって、この記憶を思い出したの。だから、今、話した以上のことは、わからないわ。でも」
「でも?」
 灰○はジュースの表面を眺める。そして。
 ゆっくりと顔を上げて言った。
「もしかしたら、あなたの身近に組織の誰かがいるのかもね」
「………………!」
「七つの子」が「小学一年生の子供」を意味するのなら。
「○藤くん」と、灰○が真剣な表情でコ○ンを見る。
「あなた、もしかしたら、ループする時空だけじゃなく、パラレルワールドすら巻き込む、超物理学的超数学的存在。だから、ボスはあなたのことを観察している。いずれ自分がその力を手にするために」
「……………………!!」
「どうする、○藤くん?」
 と、灰○が挑戦的な笑みを浮かべる。
「灰○、APTX4869の完全な解毒薬を作って、この幾千もの迷宮、メビウスの輪を抜けることは?」
「今はまだムリね」
「それなら」
 考えるまでもなかった。
「決まってるじゃねえか。俺がやることは変わらねえ!」
 コ○ンは決意を新たにした。


(真実はいつも六つ!!・了)


あとがき

読了、有り難うございました。
ファンの皆様、ごめんなさい。
本当に作品を貶めるつもりはないんです。
それだけはご理解下さいね。

おまけ:「ジョニー・ブラックマン」は「ジョニ黒(スコッチウィスキー・ジョニーウォーカーブラックラベル)」をもじったものです。


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