20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:○リキュア Psy! Bang! Shock! 第七話 作者:ジン 竜珠

第1回   第七話 プロテウスの覚醒−1
「○リキュア・Psy-Bang-Shock! ここに開廷します!」
 ○リキュアに変身した美郁たちがポーズを決める。
 土曜の昼下がり、今回のセイギズラーは、まるでサラリーマンが着るスーツのような紺色の装甲をまとい、頭の上にスマホの様なものをつけている。
『セイギズラァァァァ!』
 セイギズラーが吠える。傍にいた若い女……ミス・テイクが挑戦的な笑みを浮かべて言った。
「今度のセイギズラーは手強いわよ? あなたたちで、どうにかできるかしら?」
 そして、どこかに姿を消す。大方、高みの見物を決め込むのだろう。
 セイギズラーがこちらを見下ろし、口を開いて吠えた。
『セイギズラァァァァ!』
 その口からは、ドス黒い衝撃波が撃ち出されている。リブラは右手に、ヘルマは左手に横飛びに跳んでかわす。ジャスティスはそのまま高く跳躍して宙で身をひねり、気合いとともにセイギズラーに跳び蹴りを喰らわせた。
『セイギッ!?』
 体勢を崩し、よろけたセイギズラーにヘルマが駆け寄って足払いをかける。完全に仰向けに倒れたセイギズラーだったが。
『……セイギズラァァァァァァァァ……』
 まるで地の底から響いてくるような声で、セイギズラーが声を発する。
「……くうあぅッ!?」
 地面からの震動がジャスティスたちを襲う。その振動は痛みというより、吐き気を催すようなおぞましいもの。三人は、それぞれに片膝をついた。
 バネ仕掛けの玩具のように、立位体勢のままセイギズラーが起き上がった。そしてジャスティス目がけて、口からの衝撃波を放った!
 全身をむしばむ苦しみに、ジャスティスは絶叫とともに仰向けに倒れた。この衝撃波は痛みというより、全身の皮を剥がれるような、存在そのものを抹消されるかのような響きを持っていた。
 どうにかなりそうになったとき、不意に痛みが消える。
「大丈夫、ジャスティス!?」
 目を開けると、リブラが光のソーサーを盾にして衝撃波を防いでくれていた。
「あ、ありがとう、リブラ……」
 起き上がり、体勢を整える。
「今回の公訴事実は、一体……? ヘルマ、お願い!」
 ヘルマがその声に頷き、チェーンをセイギズラーの頭部にあるスマホに撃ち込む。
「出てきなさい、被告人!」
 そしてチェーンを引っ張るが、なかなか相手が強いらしく、すぐには出てこない。やがて、ソーサーにヒビが入ってきた。そしてソーサーが砕け散って、ジャスティスとリブラをドス黒い衝撃波が襲う。
 二人が苦しみに絶叫を上げ始めたとき、ヘルマがチェーンを引っ張って、被告人のマナサマーヌを引きずり出した。すると、セイギズラーの衝撃波が止まる。
 ヘルマが被告人を引きずり出した……と思ったら。
「えええっ!?」
 ヘルマが仰天した声を上げる。引きずり出された被告人のマナサマーヌは一人や二人ではない。次々と引っ張り出され、最終的に二十人近くのマナサマーヌが現れたのだ。
「ねえ、どういうこと、ジャスティス?」
 困惑した表情で問うリブラに、ジャスティスも困惑……というより、混乱気味に答える。
「ボクにも何が何だか!」


次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 96