「○リキュア・Psy-Bang-Shock! ここに開廷します!」 ○リキュアに変身した美郁たちがポーズを決める。 土曜の昼下がり、今回のセイギズラーは、まるでサラリーマンが着るスーツのような紺色の装甲をまとい、頭の上にスマホの様なものをつけている。 『セイギズラァァァァ!』 セイギズラーが吠える。傍にいた若い女……ミス・テイクが挑戦的な笑みを浮かべて言った。 「今度のセイギズラーは手強いわよ? あなたたちで、どうにかできるかしら?」 そして、どこかに姿を消す。大方、高みの見物を決め込むのだろう。 セイギズラーがこちらを見下ろし、口を開いて吠えた。 『セイギズラァァァァ!』 その口からは、ドス黒い衝撃波が撃ち出されている。リブラは右手に、ヘルマは左手に横飛びに跳んでかわす。ジャスティスはそのまま高く跳躍して宙で身をひねり、気合いとともにセイギズラーに跳び蹴りを喰らわせた。 『セイギッ!?』 体勢を崩し、よろけたセイギズラーにヘルマが駆け寄って足払いをかける。完全に仰向けに倒れたセイギズラーだったが。 『……セイギズラァァァァァァァァ……』 まるで地の底から響いてくるような声で、セイギズラーが声を発する。 「……くうあぅッ!?」 地面からの震動がジャスティスたちを襲う。その振動は痛みというより、吐き気を催すようなおぞましいもの。三人は、それぞれに片膝をついた。 バネ仕掛けの玩具のように、立位体勢のままセイギズラーが起き上がった。そしてジャスティス目がけて、口からの衝撃波を放った! 全身をむしばむ苦しみに、ジャスティスは絶叫とともに仰向けに倒れた。この衝撃波は痛みというより、全身の皮を剥がれるような、存在そのものを抹消されるかのような響きを持っていた。 どうにかなりそうになったとき、不意に痛みが消える。 「大丈夫、ジャスティス!?」 目を開けると、リブラが光のソーサーを盾にして衝撃波を防いでくれていた。 「あ、ありがとう、リブラ……」 起き上がり、体勢を整える。 「今回の公訴事実は、一体……? ヘルマ、お願い!」 ヘルマがその声に頷き、チェーンをセイギズラーの頭部にあるスマホに撃ち込む。 「出てきなさい、被告人!」 そしてチェーンを引っ張るが、なかなか相手が強いらしく、すぐには出てこない。やがて、ソーサーにヒビが入ってきた。そしてソーサーが砕け散って、ジャスティスとリブラをドス黒い衝撃波が襲う。 二人が苦しみに絶叫を上げ始めたとき、ヘルマがチェーンを引っ張って、被告人のマナサマーヌを引きずり出した。すると、セイギズラーの衝撃波が止まる。 ヘルマが被告人を引きずり出した……と思ったら。 「えええっ!?」 ヘルマが仰天した声を上げる。引きずり出された被告人のマナサマーヌは一人や二人ではない。次々と引っ張り出され、最終的に二十人近くのマナサマーヌが現れたのだ。 「ねえ、どういうこと、ジャスティス?」 困惑した表情で問うリブラに、ジャスティスも困惑……というより、混乱気味に答える。 「ボクにも何が何だか!」
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