20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:○リキュア Psy! Bang! Shock! 第六話 作者:ジン 竜珠

第4回   第六話 アクタイオンの冤罪……?−4
 翌日。
 美郁が学校に行くと、何人かがこちらをチラチラと見てくる。
「? なんだろ?」
 もしかして服に何かついているのかと、見回してみるが、確認できる限り何かがついているようではない。背中についているのなら、教室に着いてから誰かに確認してもらうしかない。
 美郁はそのまま、教室に到着した。だが、途中でもそうだったが、教室についても何人かがこちらを訝しげに見ている。
 とりあえず席に行き、右斜め前にいる希依に声をかけた。
「おはよ、ケイちゃん。ねえ、ボクの背中に何かついてるかな?」
「おはよう、ミークちゃん。別に何もついてないけど、なんで?」
「なんかさ、今日、いろんな人がチラチラ、ボクを見るんだ。それで服に何かついてるのかな、って」
 希依はちょっと困惑した表情を浮かべた後で、自分のスマホを操作する。
「ミークちゃん、コレ」
 そう言って見せられたのは、例の盗撮画像。
「……んなぁッ!?」
 裏返った声が出た。真郁は「東町祭イベント」で検索したときに、「コスプレ」ワードの中で見つけたと言っていた。希依も、そのサイトだ。
「お祭りに行った人がいろいろとサイト巡りをしているときに、見つけたらしいの。顔は写ってないけど、ミークちゃんが着ていた衣装と似ているから、“そう”なんじゃないか、って。結構、いるみたい、気がついた人。この画像自体、別のサイトから拾ったって書いてあって。そのサイトは未成年者閲覧禁止だから、私のスマホじゃ見られないように設定されてるけど」
「……それなら、お父さんがチェックしてた。っていうことは……」
 美郁は教室を見渡す。クラスメイト全員がスマホ片手に、美郁を見ていた。
 その状況に美郁の頭は処理が追いつかず。
「んにゃーーーーーーーーーー!!」
 無意識の内に、クラスを威嚇するような、そんな雄叫びを上げていた。

 昼休み。
 結局、午前中は授業の内容がまともに頭に入ってこなかった。
 あとで希依にノートを借りようと思いながら、持参した弁当を希依とともに食べ終わると、一人の男子が美郁のところにやって来た。
「四方さん」
 と、男子が声をかけてきた。
「え、と、君は、上崎(うえさき)くんだったよね? そういえば、昨日、忌引きで休んでたよね?」
「う、うん……。実は、さ、話があって……」
 と、頭をかく上崎を見ていて、ふと、ずっと気にしていた朝方のことが脳裏に甦ってきた。そして。

「ンナァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「うわぁっ、鍋島(なべしま)猫騒動ーーーーーー!?」
「ミークちゃん、落ち着いて!!」

 と、そんな小さな騒ぎになった。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 253