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作品名:○リキュア Psy! Bang! Shock! 第五話 作者:ジン 竜珠

第7回   第五話 シシュフォスの大岩−7
 昼下がり、街を一望できる丘の上に立ち、ダンザインのリーダー・ドクゼーンは風にマントと髪をなびかせながら、青空を眺めている。
 その瞳は憂色に彩られ、口からは哀しみの息が漏れる。
「声にならぬ声、されど声にしたい声、声にすべき声。体を震わせ、心を縛り、必死に耐える者の声」
 両腕を大きく広げ、ドクゼーンは宣言するかの様に言う。
「いいだろう、この私が汝らの想い、うつけ者どもに知らしめてやる」

 右手に、『あるエネルギー』を集め、青空に向ける。

「我こそ正義、我こそ真実。悪を裁け、罪を裁け、……悪は断じて許さず! 出でよ、セイギズラー!!」

 ドクゼーンは左手を右手に添え、一気に振り下ろして、そのエネルギーを街へ発射する。文字の繋がったような光の帯が現れ、空中のエネルギーを拾うように動いて、地上で一つの形に実体化した!

 美郁と希依は、商店街で買い物をしていた。今夜は、睛のお祝いパーティーを睛の家でするのだ。真郁も特に予定がないということで、料理を担当してくれるという。
 なので、真郁が書いたメモを元に、食材の買い物をしている。ちなみに真郁は別の食材の買い出しに、ショッピングモールへと向かった。
「ミークちゃんのお兄さん……真郁さんって、本当にお料理が上手よね。今度、教えてもらいたいな」
「ホント? それ聞いたら、アニキも喜ぶよ」
 笑いながらスーパーから出たとき。
 地響きがして、人々の悲鳴が聞こえた。同時に。
「! ケイちゃん、これ!」
 希依が頷いた。
「ええ! ヒボウのエネルギー……よね、これ?」
 希依が首を傾げた様に、イヤなエネルギーには違いないが、いつもとはちょっと感じが違う。
 美郁も頷いた。
「うん。なんていうか、胸が締め付けられるようなっていうか……。でも!」
 頷き合い、美郁と希依は荷物をそこに置き、悲鳴が聞こえる方へ走り出した。

 そこにいたのは、全高三メートルほどの白い人型の物体。その顔に表情はなく、マネキンのよう。ノースリーブの黒いブラウスに、ピンク色のロングスカートを穿き、パールホワイトのパンプスを履いた、そんな姿形で、ロングヘアーの女性、といった怪物体だ。特徴的なのは、胸に縦長長方形のスマホの様なものが付いていることだ。
 怪物体が体を震わせる。だが、吠えない、いつもなら『セイギズラァァァァ!』と吠えるところだ。
 それに少々、奇妙なものを感じたが、美郁は希依に言った。
「いくよ、ケイちゃん!」
「ええ!」
 そして二人は変身した。

 変身した美郁は、左手を斜め前に突き出し、宣言した。
「ギルティ!」
 右手を斜め前に突き出し、宣言する。
「オア、ノット・ギルティ!」
 その両手を前で「パン!」と打ち合わせ、宣言する。
「真実はどこにあるか、ここに明らかにしましょう!」
 そしてポーズを決め、宣言した。
「我が名は○ュアジャスティス!」

 変身した希依は両腕を上に上げ、
「公正なるは無私の太陽の如く」
 そして胸の前で両腕を交差させて言った。
「時に暖かく、時に冷静に事件を見て被告人を護る弁護人」
 ポーズをつけて宣言した。
「○ュアリブラ!」

 二人の声が揃う。
「○リキュア・Psy-Bang-Shock! ここに開廷します!」


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