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作品名:これ、絶対に書いたら、あかんヤツ。ヒープリの二次なので 作者:ジン 竜珠

第8回   IFの物語・1
まえがき

 これは、一ファンによる妄想ストーリーであり、本家ヒープリを否定するものではありません。また、「ヒープリは放送回数が短縮されちゃったけど、もし予定通り放送されていたら?」という仮定の物語でもありません。
 純粋に「ファンの妄想」です。
 その辺りを押さえていただいた上で、お読みくださいませ。


 メガパーツを大量に取り込み、暴走状態となったダ○イゼンだが、その中でかすかに残る意識があったようだ。だが、それは単純な生存本能だけであるように、フォン○ーヌには思えた。
『キュア○レース、助けてくれ』
 その言葉を繰り返すダ○イゼンは、ある意味でエゴの塊になってしまったように、フォン○ーヌは思った。
 スパーク○が吠える。
「なに言ってんの!! あんたが、どれだけ○レースを苦しめたか、わかんないの!?」
 フォン○ーヌも叫んだ。
「それだけじゃないわ、あなたがこれまで、どれだけの人たち、自然をむしばみ、苦しめてきたか!」
 ○ースが静かに言った。
「ムダです。わたくしたちと彼らとは、決して交わることのない、そして相容れることのない存在なのです。そもそも理解し合うことなど、有り得ません」
 ただひたすらに助命を懇願するダ○イゼンを見ながら、○レースは何を思うのか。
 ○レースは強い意志を表情に秘めて、ステッキを構える。
「みんな、ラ○、お願い!」
 フォン○ーヌたちは頷いた。そして。
「○リキュア、ファイナル・ヒー○ングっど・シャワー!!」
 強力な浄化技を放つ。だが、それをもってしても、巨大な魔人を完全には浄化できなかったようだ。光がおさまったとき、そこに一つの人影がペタリと座り込んでいた。
 それはダ○イゼン。だが、着ているのは以前の様な、医者が着る白衣を血で染めたようなコートではなく、水色の、まるで入院患者が着るようなパジャマに似た服だった。そして、彼は、ただ呆然と空を仰いでいる。
 フォン○ーヌはステッキを構える。
「まだ、浄化できてない!?」
 ○ースがハープを構える。スパーク○も頷いてステッキを向けた。だが。
「みんな、待って」
 ○レースは静かにそう言って、ダ○イゼンに近づいていく。
「○レース!!」と、スパーク○が声をかける。フォン○ーヌも、駆け寄ろうとした。
「大丈夫、大丈夫だから」
 振り向いてそう言った○レースの笑顔は、とても穏やかで静謐なものだ。フォン○ーヌは思わず足を止めた。
 ダ○イゼンの近くまで行くと、○レースは、柔らかい笑みを浮かべ、小さな子どもに語りかけるように口を開いた。
「私ね、あなたのせいで病気になって、病院のベッドで寝ているとき、時々、思っていたの。なんで、私だけがベッドに寝てないといけないの、って。病院の外で明るい声で、元気に走り回る、お見舞いに来た、私と同い年ぐらいの子を見て、この子たちも私と同じ病気で、苦しんじゃえって」
 ダ○イゼンがゆっくりと○レースの顔を見る。しかし、明確な意識はないようだ。ただ「声」いや、「音」に反応しただけのように見える。
「私、とっても醜い心を持ってた。自分が苦しいからって、ほかの誰かも同じ目に遭えばいい、なんて。……あなたと同じなの。あなたが中にいたから、そんなことを思ってた、なんてことはない。人間の心には、そんな醜い部分もあるんだと思うの。ひょっとしたら、あなたやグアイ○ル、シン○イーネは、人間の醜い心を糧にして生まれているんじゃないかな? だって、メガビョー○ンが進化しても、ギガビョー○ンになったりしないもの。だったら、あなたたちは、最初から、その姿で生まれてる、ケダ○ーのように。……それなら、あなたには、人間の心の中には、美しいものもあることを学んで欲しいの」
 そして○レースは、さらにダ○イゼンに近づく。フォン○ーヌは気が気ではない。今は呆となっているダ○イゼンだが、明瞭な意識を取り戻して○レースに襲いかかるかも知れない。攻撃できる態勢だけは取っておこう。ふと見ると、同じ思いなのだろう、スパーク○と○ースも同じように構えていた。
 ○レースが静かに言う。
「ダ○イゼン、私の中に来て?」
「○レース!?」
 フォン○ーヌは、いや、フォン○ーヌだけではない、スパーク○もアースも駆け出した。しかし。
「大丈夫だから!」
 しっかりとした強い声で○レースが言った。フォン○ーヌは思わず足を止める。スパーク○たちも、立ち止まっていた。
 ○レースはダ○イゼンを見たまま、言う。
「私、あの頃のように、弱くて小さな子じゃない。……これまで、いろいろお手当てをしてきて、気づいたの。ビョー○ンズのせいで自然や人々が苦しむ。だから、早く、その苦しみから、解放してあげたい。でも、それだけじゃない。このままむしばまれたら、誰かもそうなればいいって、あの頃の私のように、醜い思いを抱いちゃうんじゃないか、って気づいたの。地球をそんな醜い思いで染めちゃいけない。だから、私は地球のお手当てをしているの」
 ○レースが、そんな強い想いでお手当てをしていたということを、フォン○ーヌは初めて知った。おそらく、フォン○ーヌだけではないだろう。
「ダ○イゼン、あなたがこれまでむしばんできた自然や、人々を、私の目を通して見て?」
 その言葉を受け、ダ○イゼンが粒子のようになる。それはダ○イゼンの意志というより、○レース自身の意志に自動的に反応したように見えてならなかった。
 そして、ダ○イゼンは、○レースの中に吸収された。
 少しおいて、○レースが振り向く
 スパーク○が心配そうに言う。
「大丈夫、○レース?」
 笑顔で、○レースは振り向く。
「うん!」
 その笑顔は、不安を感じさせるものではなかった。
 ○ースが穏やかな笑みで言った。
「○レースは、自分自身の醜さを克服しているのですね」
「どうかな? 克服しているのかどうかはわからないけど、私自身のことは、わかっているつもり」
 そんなことをいう○レースを見て、フォン○ーヌは言った。
「○レースは本当に強いわ」
 スパーク○も笑顔で言う。
「ほんとほんと! メッチャ強いよ!」
 照れたのか、頬を紅くして○レースは言った。
「えへへ、有り難う。さ、帰ろ」
 こうして、ダ○イゼンは○レースに吸収された。


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