「私が入院して最初の頃、お父さんとか、お母さんとか、病院の人に内緒で、薬草を煎じたお茶とか、持ってきてくれてたの。効果はなかったんだけれど、最近になって思うの。薬草って、中には他の動物や虫には食べられない薬草もあるそうなの。でも、その草は人間の役に立ってくれてる。だから、地球は人間に、すごく優しいのかなあって」 地球は人間に優しい。とても○どからしい考え方だと、ち○は自身も優しい気持ちになった。 「ねえねえ、これこれ!」 と、笑顔でひな○があるページを見せる。 「なに、ひな○ちゃん?」 ち○も、そのページを覗き込む。
食虫植物だった。しかも、捕食している状態の。
「……くぁ……」 思わず、ち○はのけぞる。○どかも無言だ。 「ニャッ!? ひな○、お前、何見せてんだー!」 ニャト○ンが怒鳴る。 「いやあ、こういう植物も、人間の役に立ってるなあ、と」 苦笑いで、ひな○はほっぺをかいた。 その時、どこかで花火が打ち上がった。 音がした方をひな○が、きょとんとして見る。 「なになに、なんかのイベント?」 基本的に、にぎやかなひな○としては、自分が把握していないイベントがあるのが不思議なのだろう。 事情を知っている、ち○は答えた。 「ああ、あれはね、この近くの運動公園で開かれてる、小学校の陸上競技会なの」 ○どかが不思議そうに聞いた。 「小学校の陸上競技会?」 「そういうと大げさだけどね。早い話が、この近くの、いくつかの小学校の交流会なの。陸上競技会、っていう名前の運動会のあとは、レクリエーション大会になってて、とうじも参加してるのよ」 「へえ! それ、メチャ楽しそう!」 瞳を輝かせたひな○に、ち○は「小学生対象だから」と答えた。
その少し後のことだった。○どかの膝の上にいたラ○がくしゃみをしたのだ! 大急ぎでラ○の声を聞くと。 『あっちの運動場で、高跳びさんが泣いてるラ○』 「あっち、って、まさか、ち○チーの弟くんがいる!?」 ○どかが強い意志を秘めた表情で言った。 「行こう!」
行った先では、子どもたちや保護者、教師たちの避難は終わっていたようだ。そこにいたのはシン○イーネ。 「あーら、今日は早かったのねえ」 嘲笑交じりに言う。そして、走り高跳びの支柱とバーが今回のメガビョー○ンだ。 ○どかがシン○イーネを睨んで、言った。 「みんな、行こう!」
変身し、戦闘態勢に入る。しかし。 『メガ! メガッ! メガメーガ!』 「ワン!」 ラ○が呼び止めた。 スパーク○が振り返る。 「どうしたの、ラ○?」 「ワン!」 何か言いたいことがあるらしい。フォン○ーヌがシン○イーネに○ュアステッキをビシッ!と指して言った。 「ちょっと待ってなさい、作戦タイムよ!」 「…………何それ?」 訝しげな表情のシン○イーネを放っておいて、○レースが聴心器を当てる。ラ○の言葉は。
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