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作品名:○リキュア、9と10の間ぐらいのお話 作者:ジン 竜珠

第4回  
 ナイトが行った先にいたのは、茜(あかね)という、小学二年の少女。彼女は、ナイトの小学校時代の友人の妹だ。その友人は、隣町の私立中学に進学したが、今も親交はある。そして。
 地面に座り込んで、しょんぼりしている茜を見て、ナイトは思い出していた。

 ○ュアナイトこと夢華は、かつて一匹の犬を飼っていた。物心ついた頃から、家にいて、家族のように暮らしてきたのだ。雑種で、毛色は明るい茶色だったが、シッポだけが真っ白だった。だから。
「しろいしっぽだから、しろっぽ!!」
 夢華は、そう名付けた。
 夢華としろっぽは、いつも一緒だった。一人っ子ということもあったのか、夢華はしろっぽを本当に兄弟のように思っていたし、しろっぽも、なついてくれた。
 しかし、小学六年の、冬のある朝。
「ねえ、どうして、しろっぽは起きないの!? どうして、動かないの!?」
 父・実が言った。
「しろっぽは、天に召されたんだ」
 母・和叶が言った。
「うちに来た時、もうしろっぽは、大人だったの。寿命だったのよ」
 両親の言うことはわかるつもりだったが、認められなかった。
「しろっぽ、しろっぽー!」
 とりすがり、揺さぶってみたが、しろっぽは目を覚まさなかった。
 夢華は家を飛び出した。
「夢華、どこへ行くんだ?」
 背中で聞いた父の声に、夢華は応えた。
「しろっぽの魂をサガしてくる! 魂は、風に乗ってるって、思い出の場所にいるって、そういう歌があったもん!」
 そして、しろっぽとの思い出の場所を巡った。


 辛いだけだった。


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