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作品名:○リキュア、9と10の間ぐらいのお話 作者:ジン 竜珠

第3回  
「大丈夫、ナイト!?」
「ありがとう、クレリック。……え? これ、どういうこと……?」
 尻餅をついたナイトがふと、ホープ・ジュエルを見て、訝しげに呟いた。
「どうしたの、ナイト?」
 クレリックが聞くと、ナイトが言った。
「希望の星があったの、そこの溝に。ううん、それだけじゃない、その先の、郵便ポストの上にも……」
「え? 何を言ってるの、ナイト?」
 と、何気なくクレリックもその方を見る。
「……あ」
 確かに、そこに、希望の星はあった。
「どういうこと、ゼツボーグの外に、しかも、二つも……?」
 ウィッカが言った。
「そこだけじゃない、あそこにも!」
 と、指さしたのは、アイ・スクリームの足下。
 ダンサーが言った。
「こっちもあったよ! 魚屋さんの前!」
 ダンサーが向いているのは、あさっての方向。アーチャーも言った。
「こっちにも!」
 その視線の先は、児童遊園。
 クレリックは呟いた。
「どういうことなの、希望の星が、あちこちにあるなんて?」
 少しして、何かに気づいたらしい、ナイトが言った。
「そうか、もしかして!」
 そして、駆け出した。あちこちを駆け回り、ある曲がり角をのぞいて。
「……そうか、そういうことだったんだ」
 そして、沈痛な表情になったが。
「みんな、力を貸して!」
 ナイトがクレリックたちを見た。
 それを受け、一同はうなずいた。
 ナイトが号令をかける。
「夢よ、よみがえれ!」
 ホープ・ジュエルから生まれた光の奔流が、○リキュアたちを包む。手に現れた、翼のページをスクエアミラーに挿し込むと、彼女たちのフォームが変わった。そしてホープ・ジュエルの片翼が双翼になった。
 横に並んだ五人の背後で、大きな、一対の五色(ごしき)の翼が輝く。
 五人の声が揃った。
「○リキュア、リザレクション・フェザー!」
 五色の翼が、ゼツボーグ・アルノミーではなく、辺りを舞う。それはまるで、何かをサガし、拾っているかのようだ。そして、拾い終わったのか、そのまま、ゼツボーグ・アルノミーに重なる。やがて、翼に護られるようにして、希望の光が上昇した。
 ゼツボーグ・アルノミーが消滅する中、五人がポーズをつける。
「夢と希望は傍にある! ドント・スロウ・ヨア・ドリィィィム・アウェェェェェェェイ!!」
 希望の光は、ウッキューの持つクリスタルには向かわず、天へと向かい、光点となって、消えた。
 クレリックたちが、何が起きたのか、不思議そうに天を仰いでいる時、
「今度は、うまくいくと思ったのに」
 と、アイ・スクリームの捨て台詞が聞こえて、彼女の気配が消えた。
 ナイトが言った。
「あとは、私に任せてくれるかな?」
 クレリックは三人と顔を見合わせ。
「うん。よくわからないけど、お願いね、ナイト」
 笑顔を向けると、ナイトも微笑んだ。


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