「大丈夫、ナイト!?」 「ありがとう、クレリック。……え? これ、どういうこと……?」 尻餅をついたナイトがふと、ホープ・ジュエルを見て、訝しげに呟いた。 「どうしたの、ナイト?」 クレリックが聞くと、ナイトが言った。 「希望の星があったの、そこの溝に。ううん、それだけじゃない、その先の、郵便ポストの上にも……」 「え? 何を言ってるの、ナイト?」 と、何気なくクレリックもその方を見る。 「……あ」 確かに、そこに、希望の星はあった。 「どういうこと、ゼツボーグの外に、しかも、二つも……?」 ウィッカが言った。 「そこだけじゃない、あそこにも!」 と、指さしたのは、アイ・スクリームの足下。 ダンサーが言った。 「こっちもあったよ! 魚屋さんの前!」 ダンサーが向いているのは、あさっての方向。アーチャーも言った。 「こっちにも!」 その視線の先は、児童遊園。 クレリックは呟いた。 「どういうことなの、希望の星が、あちこちにあるなんて?」 少しして、何かに気づいたらしい、ナイトが言った。 「そうか、もしかして!」 そして、駆け出した。あちこちを駆け回り、ある曲がり角をのぞいて。 「……そうか、そういうことだったんだ」 そして、沈痛な表情になったが。 「みんな、力を貸して!」 ナイトがクレリックたちを見た。 それを受け、一同はうなずいた。 ナイトが号令をかける。 「夢よ、よみがえれ!」 ホープ・ジュエルから生まれた光の奔流が、○リキュアたちを包む。手に現れた、翼のページをスクエアミラーに挿し込むと、彼女たちのフォームが変わった。そしてホープ・ジュエルの片翼が双翼になった。 横に並んだ五人の背後で、大きな、一対の五色(ごしき)の翼が輝く。 五人の声が揃った。 「○リキュア、リザレクション・フェザー!」 五色の翼が、ゼツボーグ・アルノミーではなく、辺りを舞う。それはまるで、何かをサガし、拾っているかのようだ。そして、拾い終わったのか、そのまま、ゼツボーグ・アルノミーに重なる。やがて、翼に護られるようにして、希望の光が上昇した。 ゼツボーグ・アルノミーが消滅する中、五人がポーズをつける。 「夢と希望は傍にある! ドント・スロウ・ヨア・ドリィィィム・アウェェェェェェェイ!!」 希望の光は、ウッキューの持つクリスタルには向かわず、天へと向かい、光点となって、消えた。 クレリックたちが、何が起きたのか、不思議そうに天を仰いでいる時、 「今度は、うまくいくと思ったのに」 と、アイ・スクリームの捨て台詞が聞こえて、彼女の気配が消えた。 ナイトが言った。 「あとは、私に任せてくれるかな?」 クレリックは三人と顔を見合わせ。 「うん。よくわからないけど、お願いね、ナイト」 笑顔を向けると、ナイトも微笑んだ。
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