20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:○リキュア、9と10の間ぐらいのお話 作者:ジン 竜珠

第1回  
 とある通りで暴れている今回のゼツボーグ・アルノミーは、すばしこい上に耳がいいらしく、なかなか隙を見いだせない。さらに、不意に姿を消したかと思うと、気配を感じさせずに背後に忍び寄っている。おまけに。
 クレリックが言った。
「あの爪、かなりリーチがあるわ!」
 ゼツボーグ・アルノミーが、右手の爪を伸ばし、空中からおそりかかっていた躍りかかっていたナイトを撃つ。
「うぐっ!」
 姿勢制御がやっとで、斬りかかるまではいかず、ナイトは剣で爪を弾いて、着地する。
「あいつ、隙がない!」
 ウィッカが考える。
「さっきまでのことを考えると、このゼツボーグ、多分、猫がモチーフになってるんだと思う」
 アーチャーが聞いた。
「ネコ? あの猫ですか?」
 ウィッカがうなずいた。
「うん。ファン・タ・シー・キングダムにもネコはいるんだけど、こっちのネコとはちょっと違ってて……。ああ、それは今は、いいわ」
 そして、全高十五メートルのゼツボーグ・アルノミーを見上げる。ダンサーとナイトが、時間を稼ぐかのように応戦していた。
「耳が良くて、気配を消して忍び寄って、爪を武器にする。そして、すばしこい」
 そうか、とアーチャーがうなずいて言った。
「だったら、魔法で『マタタビ』を出して、相手を昏倒出来ませんか?」
「やってみる! ……マタタビ、って何?」
 アーチャーがちょっと困ったような顔をする。その時、 ナイトがやってきた。
「とりあえず、変身を解除して、検索して調べて!」
 ナイトと入れ替わりに、アーチャーが攻撃に回る。
「わかった!」
 ウィッカが物陰に行った。
「何をする気か知らないけど」
 と、ある民家の屋根の上にいたアイ・スクリームが言った。
「このゼツボーグ・アルノミー、この前のとは、ちょっと違うわよ?」
 ナイトが言った。
「違う? どういう意味!?」
 アイ・スクリームが鼻で嗤うように言った。
「さあ? 私にも、なんとなくそう感じる、っていうだけだから、よくわからないわ」
 ダンサーがこちらに飛ばされてくる。キックで蹴り負けたらしい。
「痛いの痛いの、Go Away!」
 ダンサーのダメージを、クレリックのパワーが癒やす。
「ありがとう、クレリック! ……アイ・スクリームは、適当なことを言ってるわけじゃない、なんとなく私も感じるんだ、あのゼツボーグ、なんか感じが違う!」
 ナイトが聞く。
「感じが違う? どういう意味?」
 ダンサーが苦い顔で首を横に振る。
「わからない。でも、この間のヤツとは、どこか違う!」
 アーチャーの矢がゼツボーグ・アルノミーを狙うも、ことごとくかわされる。


次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 415