三人を見送った後、夢華たちは倒れているココのところへ行った。 いち早く、愛望がココの喉元や、鼻の下に指を当て、スマホを出して、時間表示と見比べている。 「……うん、呼吸も脈拍も、落ち着いてる。あとは、早くお医者様のところへ連れて行かないといけないけど……」 夢華は皆と顔を見合わせる。ココの格好は、明らかに「普通」ではない。この状態の彼女を連れて行ったとして、どう説明するのか? それに「行き倒れを見つけたので」と通報しても、意識を取り戻したココが何をやらかすか、見当も付かない。 一同で「どうしよう」と話していたら。 「○リキュア? それに、ココ?」 声がした。その方を見ると。 「……コードック……」 愛望が呟いた。コードックが近づいてくる。 「妙な力場を感知したのでな。……死んでいるのか?」 愛望が答える。 「いえ、気を失っているだけ。でも、今、触診した限り、何ヶ所か骨折してるし、何より、頭を打っていたら、どんな障害が起きているか……」 「詳しいな、お前」 コードックがそう言うと、夢華が(なぜか)自慢げに答えた。 「愛望先輩のお母さんはお医者さん、お姉さんは看護師さん。愛望先輩自身も、将来はお医者さんになるって、小学校の文集に書いてた」 「そうか」 そう言って、コードックは少し考え、言った。 「今、俺が世話になっているところがある。そこへ連れて行こう」 祈璃が聞いた。 「世話になってる?」 「ああ。……以前、その、シツボーグで迷惑をかけた人間だ」 言いづらそうに、あさっての方を向いて言ったコードックに友希が、極めて冷静に言った。 「昔、迷惑をかけて、今、お世話になって、また迷惑かけてる。最低ですね、あなた」 「仕方ないだろ!? カーナ・シー・エンパイアに帰るわけにはいかないんだから!!」 コードックが叫んだ。
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