20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
 ようこそゲストさん トップページへ ご利用方法 Q&A 操作マニュアル パスワードを忘れた
 ■ 目次へ

作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第96回   しょのファイナル・1
 三人を見送った後、夢華たちは倒れているココのところへ行った。
 いち早く、愛望がココの喉元や、鼻の下に指を当て、スマホを出して、時間表示と見比べている。
「……うん、呼吸も脈拍も、落ち着いてる。あとは、早くお医者様のところへ連れて行かないといけないけど……」
 夢華は皆と顔を見合わせる。ココの格好は、明らかに「普通」ではない。この状態の彼女を連れて行ったとして、どう説明するのか?
 それに「行き倒れを見つけたので」と通報しても、意識を取り戻したココが何をやらかすか、見当も付かない。
 一同で「どうしよう」と話していたら。
「○リキュア? それに、ココ?」
 声がした。その方を見ると。
「……コードック……」
 愛望が呟いた。コードックが近づいてくる。
「妙な力場を感知したのでな。……死んでいるのか?」
 愛望が答える。
「いえ、気を失っているだけ。でも、今、触診した限り、何ヶ所か骨折してるし、何より、頭を打っていたら、どんな障害が起きているか……」
「詳しいな、お前」
 コードックがそう言うと、夢華が(なぜか)自慢げに答えた。
「愛望先輩のお母さんはお医者さん、お姉さんは看護師さん。愛望先輩自身も、将来はお医者さんになるって、小学校の文集に書いてた」
「そうか」
 そう言って、コードックは少し考え、言った。
「今、俺が世話になっているところがある。そこへ連れて行こう」
 祈璃が聞いた。
「世話になってる?」
「ああ。……以前、その、シツボーグで迷惑をかけた人間だ」
 言いづらそうに、あさっての方を向いて言ったコードックに友希が、極めて冷静に言った。
「昔、迷惑をかけて、今、お世話になって、また迷惑かけてる。最低ですね、あなた」
「仕方ないだろ!? カーナ・シー・エンパイアに帰るわけにはいかないんだから!!」
 コードックが叫んだ。


← 前の回  次の回 → ■ 目次

■ 20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ トップページ
アクセス: 3186