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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第93回  
「遙かなる太古、二人の女性が暗黒の世界に国を拓いた。その国がファン・タ・シー・キングダム。女性の一人は、初代女王、ファン・タ・シー、もう一人は、最初の○リキュア、○ュアレジェンド。二人は、世界が夢と希望で満ちるように、人々が幸せに暮らせるようにと、ある宝玉を作ったの。それがレインボー・ダイヤモンド」
 キララが復唱するように呟いた。
「レインボー・ダイヤモンド……?」
 賢がうなずく。
「レインボー・ダイヤモンドの輝きは調和をもたらし、人々の願いを叶え、世界を繁栄に導いた。でも、実はレインボー・ダイヤモンドは、ある『危険』を孕んでいたの」
「危険?」とダンサーが聞いた。
「ええ。レインボー・ダイヤモンドは幸せをもたらす宝玉。そして、人々の願いを叶える力を持っていた。……ねえ、百人が願いを祈ったとして、そのすべてが叶うと思う?」
 賢の問いに、アーチャーが答えた。
「あり得ません。弓道選手権に出場した選手の全員が、優勝出来るわけではありません」
「あなたらしい例えね」と柔らかく微笑んで賢は言った。
「叶う人もいれば、叶わない人もいる。特にレインボー・ダイヤモンドは力の宝玉だから、願いが叶わなかったという無念の反動は、かなり大きいものがある。その反動はやがて、歪(ひず)みを生み、怪物を生みだした。それが欲望の怪物・ヨクボーグ」
 ナイトが「ジャヨクボーグみたいな名前」と呟いた。賢は続ける。
「それに気づいた、時の女王、第五代目の女王イートォ・シーは何らかの策を講じようとした。その時現れたのが、その時代の○リキュア、○ュアロードと、○ュアホーリー。二人の○リキュアによって、ヨクボーグがおさえられている間に、イートォ・シーはあるものを生みだした。それが、ブラック・ダイヤモンド」
 ナイトたちが呟いた。
「ブラック・ダイヤモンド……」
 うなずき、賢は言った。
「ブラック・ダイヤモンドによって、レインボー・ダイヤモンドの過剰なエネルギーは中和された。世界各地のヨクボーグも徐々に出現しなくなったわ。そしてイートォ・シーはファン・タ・シー・キングダムの領地の一つであった、ある大陸にブラック・ダイヤモンドを安置し、四人の娘に管理を任せたの。その四人の娘の名が、カーナ・シー、クール・シー、ムーナ・シー、サービ・シー」
 一同が驚愕の表情を浮かべた。キララが震える声で言った。
「ま、まさかカーナ・シー・エンパイアって……」
 聖がうなずく。
「ファン・タ・シー・キングダムの流れをくむ国。だから、ファン・タ・シー・キングダム王家に伝わる秘法も、ある程度までは使えるわけ」
 キララが「そんな……」と、やはり声を震わせて呟く。
 巫が言った。
「カーナ・シーはカーナ・シー・エンパイアを建国し、初代女帝となったわ。そして、年に一度、ファン・タ・シー・キングダムとの間で中和の儀式を行っていたらしいけど、いつの間にか、それは行われなくなったらしい。ある年から、記録に残ってないの。喉元過ぎれば熱さを忘れる、というやつね」
 賢が続けた。
「儀式を行わなくなったことに加え、人々の願いのエネルギーの集積が、ある事態をもたらした。……人々の欲望がレインボー・ダイヤモンドにさらなる力を与えたの。だから、二つの宝玉の間のバランスが崩れ、世界各地に天変地異が起き始めた。それが儀式を怠ったせいだと考えた、時の女帝、モーダ・メーネ・カーナ・シーは、ファン・タ・シー・キングダムの女王、ターノ・シーに儀式の再開を申し入れた。でも」
 と、賢は目を伏せる。


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