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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第92回  
「○リキュア!」
 声がして、賢たちが飛び込んできた。
「賢さん!? 危ない!!」
 ナイトは制止の声を上げたが、賢はニヤリとして言った。
「ここは、先輩の威厳を見せないとね」
「え? どういうことですか?」
 聖が言った。
「ここに来た瞬間、わかったんだ」
 巫がうなずいた。
「とにかく、わたしたちに任せて」
 そして聖が言った。
「ナイト、アーチャー、武器を借りるよ」
 その言葉に、ナイトの剣、アーチャーの弓が光の粒子になり、聖の手に握られた。ナイトの赤い剣の刃を、アーチャーのオレンジ色の弓が真ん中から分かれて挟み込む。
「クレリック、ダンサー、あなたたちの得物を借ります」
 その言葉に、クレリックの杖、ダンサーの鈴のついたアンクレットが光の粒子になり、巫の手に集まった。杖は青緑の杖に、アンクレットは黄色いたくさんの鈴になって、杖の先端に、錫杖の遊環(リング)のようについた。
「さて」と、賢が何か、呪文を唱え、右足で地面を踏みつけた。すると、地震が起こった。インディゴ・サファイヤが現れた時のような地震だ。直後、ナイトは、地面の底から、何かのエネルギー体が現れるのがわかった。そのエネルギー体は。
「バイオレット・アメジスト……」
 最後のホープ・ジュエル、バイオレット・アメジストだった。地下から現れたバイオレット・アメジストを、賢が手に取る。
「ウィッカ、ステッキ、借りるわよ」
 賢の声に応えるように、ウィッカのステッキが光の粒子になり賢の手に行く。その光は渦を巻き、鏡になった。その中心に、賢はバイオレット・アメジストをはめ込む。
「バイオレット・アメジストは、実は私と繋がってたんだ。だから、あなたたちでは、サガせなかったんじゃないかな?」
 ナイトが聞いた。
「え? それはどういう……」
 賢が微笑んだ。
「あとで話してあげる。……聖、巫、いくわよ」
「ああ、即席だけどな」
 聖が微笑む。うなずいて、巫が杖で何度か地面をつついて鈴を鳴らした。その鈴から、澄んだエネルギーが波になって、辺りに広がるのがわかった。
 その波は、ゼツボーグ・アルノミーの動きを封じ、さらに賢たちの周囲を包む。聖が剣を構え、賢が鏡を掲げる。そして、賢が宣言した。
「夢よ希望よ、花開け!」
 聖と巫が、それぞれの剣と杖を、鏡の前で交差させる。三人が言った。
「○リキュア、クィンクエ・ペタルム!」
 鏡から光が現れ、五枚の花弁を持った花のような、赤紫色の光になる。そしてその光は回転しながら発射され、ゼツボーグ・アルノミーと重なり、ゼツボーグ・アルノミーを光の粒子に還元する。
 光が収まった時、そこにココがいたが。
 彼女はそのまま、倒れ込み、動かなくなった。巫が駆け寄り、様子をうかがう。そして。
「大丈夫、息はあるわ。でも、意識が闇にとらわれてしまってるから……」
 賢が沈痛な表情になる。
「そう。ここまで侵食が進んでいたなんて」
 そして、賢がナイトたちを見る。
「約束だったわね。話すわ、昔々の話を」
 ナイトたちは顔を見合わせ、うなずいた。


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