日曜日、午前十時。 四人は駅前にいた。 愛望が言った。 「いい? とにかく、夢ちゃんの気持ちが大切よ? でも、気に入らないからといって、相手をわざと傷つけてやろう、って考えちゃダメ。それに、どんなに言葉を選んでも、相手にとって、ショックなことはショックなんだから」 エミィが言った。 「私は、その人のこと、知らないけど、夢華のことを選んだってことは、きっといい人なんだと思う」 友希が言った。 「私にはそういうことはわかりませんが、もし相手が豹変したら、言ってください。いつでも撃ちます!」 エミィと愛望が微妙な表情で友希を見る。 夢華は言った。 「ありがとう、みんな。正直、こういうのって初めてだから、どうしていいかわからないけど。……うん! 頑張るね!」 愛望がぼそっと「頑張ることじゃないんだけど」と呟いたが。 三人は笑顔でうなずいた。 その時! エミィのバッグから、ウッキューが出てきた。 「うわ! ウッキュー、出てきちゃダメ!」 「うっきゅー!」 ウッキューの持った球から、涙滴が現れた。 愛望が息を呑む。 「誰かが泣いてる……!」 ゼツボーグが現れたのだ! 夢華は言った。 「みんな、行こ……!」 「夢華はダメ!」 エミィが言った。愛望もうなずく。 「夢ちゃんには、今するべき事があるでしょ?」 友希もうなずいた。 「私たちに任せてください」 「みんな……」 三人がうなずく。 「……うん! お願い! 私もすぐに駆けつけるから!」 そして、三人が駆けて行った。 ちょっとして。 「あの」 と、夢華に声をかけてきたものがあった。振り返ると。 「こんにちは。僕が江藤昌晴(えとう まさはる)です」 穏やかそうな男子だ。 「ああ、あなたが」 「うん。ごめんね、来てもらっちゃって。早速なんだけど、来て欲しいところがあるんだ」 「来て欲しいところ?」 「映画を見に行こう」とか「カラオケに行こう」とかいう言葉を想像していたから、ちょっと肩透かしだが。 「うん。喫茶店なんだけど。……そこ、僕の家なんだ……」 「……家?」 昌晴がうなずいた。
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