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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第89回  
 夢華はペンデュラムを、愛望は「探索者の耳」を、友希は「探求者の目」を、祈璃は「導きの風見鶏」を腕にとまらせ、それぞれにサガしている。建物内には入れないので、その周囲を探るほかない。建物内については、エミィとキララがマジックアイテムで探査をしている。望遠鏡に似たもので建物内を見ていた。
 あちこち散開してサガすもののなかなか見つけられない。
 しばらく回って、一同はグラウンドに集合した。
 友希が言った。
「見つかりませんね」
 愛望がうなずく。
「こっちも」
 祈璃は黙って、首を横に振る。
 夢華はエミィとキララを見た。エミィが答える。
「建物の中に、ホープ・ジュエルはない」
「そう」
 夢華は手にした振り子を見る。地図では、インディゴ・サファイヤがあった山に、○ュアパラディンのエンブレムがあった。その法則通りなら、きっとここ夢の木中学に、ホープ・ジュエルがあるはずなのだ。
 それとも。
「違ったのかな、あのマークの意味……」
 夢華がそう呟いた時。
 空間中にプレッシャーが起きた。これは、あの時、ココ・ロォレターが現れた時と、同じ感覚だ。
 果たして、一同の前方、十メートルほどのところに、ココが現れた。昨日にもまして、気迫を感じる。
「○リキュア……。今日は、何が何でも、ホープ・ジュエルをもらうぞ!」
 剣を抜き放ち、ダッシュした。
 夢華たちが散開してそれをかわす。
「みんな、行くよ!」
 夢華が号令をかける。

 変身し、ナイトたちが向かう! 昨日と違い、コンディションはいい。互角とまでは行かないが、それでも、昨日のような「勝負にならない」状態ではない。
 ナイトの剣が弾かれると同時に、アーチャーの矢が走る。それを切り伏せたココの両側からウィッカの魔法弾とダンサーのキックが迫る。
 それをかわし、あるいは剣で反撃するココの動きに合わせて、また、ナイトが斬りかかる。
 切れ目のない連係攻撃だ。
「やるな。だが」
 ココが構えを変えた。円を描くように、舞うように。
 ダンサーが言った。
「流れに巻き込まれちゃダメ!」
 ウィッカが聞いた。
「どうすれば!?」
「相手のリズム……サイクルに合わせるの! 見てて!」
 ダンサーはココの剣の流れに乗るように、しかし、それに巻き込まれるのではなく、まるで相手の動き……否、舞に合わせるかのように、動いた。
 そして、隙を見て、懐に入り込み剣を持った左手を蹴り上げた。
「くっ!」
 剣を蹴り飛ばされ、うめいて、ココが間合いをとる。だが、下がった先には、ナイトがいた。とっさに右手の剣でナイトの剣を弾いたが、開いた脇に、アーチャーの矢が命中した。
 苦鳴を上げ、ココが体勢を乱す。
 そのままウィッカの魔法弾が、いくつもいくつもたたみかけるように放たれた。連続爆発の衝撃で、さしものココも、吹っ飛ばされて地に転がった。


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