一通り、話を終え、マーブ・シーは言った。 『あくまでも、これは私の想像です。数百年前、カーナ・シー・エンパイアが、ファン・タ・シー・キングダムを襲撃しました。その時、○リキュアが現れましたが。もしかしたら、ホープ・ジュエルが呼んだのではないか、と思うのです』 キララが不思議そうに聞く。 「どういうこと、お母様?」 『おそらく、○リキュアは、別の世界からホープ・ジュエルによって召喚された存在。だから、ファン・タ・シー・キングダムの住人である、キララは○リキュアになれない。そういうことではないでしょうか?』 気づいたように、エミィは言った。 「……ホープ・ジュエルの数だけ、○リキュアがいる、というのは、そういう意味だったのですね? ホープ・ジュエルが、異世界から○リキュアを呼んだ。そのホープ・ジュエルは、今、人間界にある……。だから、ホープ・ジュエルが、ここで○リキュアを呼ぶ。でも、私もファン・タ・シー・キングダムの住人ですが?」 『先ほども言ったように、あくまでも想像なのですが。エミィはそちらの時間で、月が一巡りする以上の時間を過ごしましたね?』 夢華が疑問を挟んだ。 「つきがひとめぐり?」 「一ヶ月、っていうこと。魔法の中には、月の周期を基準にしたものもあるから、一ヶ月が、一つの単位になっているの」 エミィが言うと、祈璃が言った。 「つまり、一ヶ月経ったから、エミィはこっち側の住人っていう判定になった、ってことですか?」 女王はうなずくが、祈璃は今ひとつ、納得出来ていない風に、訝しげに首を少し、傾げる。その時だった。 「あ、あの昔話!」 「わ、びっくりした! ……愛望先輩、どうしたんですか?」 驚いて、夢華は聞いた。 「なんですか、昔話って?」 「ねえ、夢ちゃん、友ちゃんも。小学校の時に、国語とか社会の授業で、こんな昔話、聞いたことない?」 と、愛望は、ある昔話を始めた。
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