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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第80回  
 一通り、話を終え、マーブ・シーは言った。
『あくまでも、これは私の想像です。数百年前、カーナ・シー・エンパイアが、ファン・タ・シー・キングダムを襲撃しました。その時、○リキュアが現れましたが。もしかしたら、ホープ・ジュエルが呼んだのではないか、と思うのです』
 キララが不思議そうに聞く。
「どういうこと、お母様?」
『おそらく、○リキュアは、別の世界からホープ・ジュエルによって召喚された存在。だから、ファン・タ・シー・キングダムの住人である、キララは○リキュアになれない。そういうことではないでしょうか?』
 気づいたように、エミィは言った。
「……ホープ・ジュエルの数だけ、○リキュアがいる、というのは、そういう意味だったのですね? ホープ・ジュエルが、異世界から○リキュアを呼んだ。そのホープ・ジュエルは、今、人間界にある……。だから、ホープ・ジュエルが、ここで○リキュアを呼ぶ。でも、私もファン・タ・シー・キングダムの住人ですが?」
『先ほども言ったように、あくまでも想像なのですが。エミィはそちらの時間で、月が一巡りする以上の時間を過ごしましたね?』
 夢華が疑問を挟んだ。
「つきがひとめぐり?」
「一ヶ月、っていうこと。魔法の中には、月の周期を基準にしたものもあるから、一ヶ月が、一つの単位になっているの」
 エミィが言うと、祈璃が言った。
「つまり、一ヶ月経ったから、エミィはこっち側の住人っていう判定になった、ってことですか?」
 女王はうなずくが、祈璃は今ひとつ、納得出来ていない風に、訝しげに首を少し、傾げる。その時だった。
「あ、あの昔話!」
「わ、びっくりした! ……愛望先輩、どうしたんですか?」
 驚いて、夢華は聞いた。
「なんですか、昔話って?」
「ねえ、夢ちゃん、友ちゃんも。小学校の時に、国語とか社会の授業で、こんな昔話、聞いたことない?」
 と、愛望は、ある昔話を始めた。


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