夢華は、いや、ここにいる皆は混乱が隠せない。 「つまり……。ウッキューが王女様、だった、ってこと?」 混乱を押さえられず、夢華が聞くと、キララがうなずく。 「多分、そういうことだった、と思う」 そして、皆に説明を始める。 今、一同は下山途中で、途中にある広場にいる。自動販売機でそれぞれ飲み物を買い、ベンチに座っていた。 キララが言った。 「あの時……。魔法嵐(マジック・ストーム)が起きた時、私の周囲でなんらかの保護魔法が発動したところまでは覚えてるんだけど。そこから先が、わからないの。『自分の意識』らしいものを取り戻したのは、少し前。……ホープ・ジュエルが五つ揃った辺り、かしら?」 愛望が言った。 「その頃だったんですか……。でも、別にウッキューに変わりはなかったけど?」 「なんて言ったらいいのか、……。意識だけ、この世界に浮遊している感じで、夢の中にいるような感じだったの。だから、あなたたちのことを知ってはいたけど、夢とも現実とも区別がつかなかったの。それが明確に意識出来るようになったのは、あなたたちの力が、カーナ・シー・エンパイアの送り込んだ怪物に、コピーされた時。あなたたちの危機を感じて、なんとかしなきゃ、って思って。そうしたら、『自分』っていう存在がはっきりとわかったわ。その時、あなたたちの助けになれる人のことがわかって。でも、その人は自ら命を絶とうとしているのがわかったから、その人を護って。そのあと、ちょっとして、地震があったでしょ? あの時、この山からホープ・ジュエルの波動が伝わってきて、その時、初めて自分がドラゴンパピィになっていることがわかって」 話をまとめると、どうやらホープジュエルの力で、キララは意識と本来の姿を取り戻したということのようだ。 今、ここで見つかったホープ・ジュエル、インディゴ・サファイヤは、キララが魔法で出したチェーンで、ペンダントにして、かけている。 夢華はやや興奮気味に言った。 「じゃあ! もしかして、王女様も、○リキュアになるの!?」 友希が気がついたように言った。 「そうか。私たちも、ホープ・ジュエルの輝きで○リキュアになれたから……」 だが、キララは首を傾げる。 「うーん、そういう感じはしないの。なんていうか、私の場合、元の姿に戻るのに、力が使われているような、でも、違うような……」 キララの言葉は、どうにも歯切れが悪い。要するに。 「王女様にもわからない、ってこと?」 夢華が聞くと、王女はうなずく。ふと。 「そうだ、女王様に連絡を!」 気がついたように、エミィがスクエアミラーと、通信板を出す。そして「繋がるといいけど」と言ったあと。しばらくして。 女王の姿が投影された。キララが息を呑む。マーブ・シーにも、キララの姿が確認出来たらしい。 『キララ……』 「お母様……!」 二人とも、涙を流している。お互いをい抱き合えないのが、夢華には残念でならなかった。
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