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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第77回  
 ハミルこと、高田・ハミルトン・美香・リサが、笑顔を浮かべて、歩いて行った。この人物は、祈璃の友達で、祈璃の歌の演奏をしてくれることも多いという。彼女が何に気づいて希望を取り戻したかは、わからない。だが、祈璃はそれを笑顔で見送っている。エミィも、それでいいと思っている。
 個人の事情まで詮索することはないのだ。自分たちがするのは、夢と希望を取り戻すことなのだから。
 ここは市の西部、夢野高山(ゆめのたかやま)の麓だ。
 夢華が言った。
「さ、帰ろ! そろそろ、三時のおやつの時間だし!」
 祈璃が呆れたように言った。
「夢華はそればっかりだな」
「いいじゃない」と、愛望が笑顔で言った。
「私も、何か、甘いものが欲しいな。夢ちゃん、何かオススメのスイーツがある?」
 うなずいて、夢華が言った。
「今日はね、『ドリーム・エッグ』のスイーツが、全品、お安くなってるんだ!」
 祈璃がちょっと考える素振りを見せる。
「『ドリーム・エッグ』っていうと、この前、なんかのコンテストで優勝したパティシエがいるお店だよね?」
「うん! そのパティシエが、今度は、外国のコンクールで入賞したんです! お祝いで、今日、土曜日からセールがあるんですよ、来週の日曜日まで! だから、行きましょ!」
 そのやりとりを見ていたエミィだったが。
「うっきゅー! うっきゅ、うっきゅ!」
「どうしたの、ウッキュー?」
 ウッキューが騒ぐ。
「ねえ、エミィ、この間から、ウッキュー、なんか変だよね?」
 夢華の問いに。
「うん。何日か前に地震があったでしょ? 次の日ぐらいから、なんか変なの。ねえ、本当に、どうしたの?」
「うっきゅうー!」
 ウッキューは羽根をばたつかせ、エミィたちを引っ張っていこうとする。どこへ行きたいのだろう、とその方を見る。
「……山、よね?」
 エミィは登山道を見る。友希が言った。
「行ってみませんか? 重要な『何か』があるのかも」
 祈璃も言う。
「……そうだね。確か、○ュアパラディンのエンブレムがあったのは、この山だった」
 ちょっとして、夢華が言った。
「じゃあ、行こう! ウッキューが私たちを連れて行きたいところに、何があるのか、サガそう、オー!」
 一同は登山道を上る。


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