「みんな!」 賢の声がした。 「あれは……! あの時の小娘ども……!」 アイ・スクリームの顔が、憎悪で歪む。 「これを!」 聖が、二十メートル背後から、五冊の本を投げ渡す。その本を手にした瞬間! 力があふれてきた。 夢華は叫んだ! 「叙事詩(サガ)第二章、オープン!」 そして、五人は変身した。格好は前と変わらない。だが、パワーアップしているのを感じる。そして、事実、ゼツボーグ・アルノミーと、「戦う」事が出来た。 ナイトがホープ・ジュエルを掲げる。 「希望の星は、どこ!?」 希望の星は、ゼツボーグ・アルノミーの腹部、へその辺りで光を放っていた。 ナイトが宣言する。 「夢よ、よみがえれ!」 ホープ・ジュエルから生まれた光の奔流が、○リキュアたちを包む。手に現れた、翼のページをスクエアミラーに挿し込むと、彼女たちのフォームが変わった。そしてホープ・ジュエルの片翼が双翼になった。 横に並んだ五人の背後で、大きな、一対の五色(ごしき)の翼が輝く。 五人の声が揃った。 「○リキュア、リザレクション・フェザー!」 五色の翼がゼツボーグ・アルノミーに重なり、周囲に羽根が舞い踊る。そして、希望の光が、翼に護られるようにしてゼツボーグ・アルノミーから分離する。 ゼツボーグ・アルノミーが消滅する中、五人がポーズをつける。 「夢と希望は傍にある! ドント・スロウ・ヨア・ドリィィィム・アウェェェェェェェイ!!」
どこかでエクスクラメーションマークが光る。その直後、一人の男性が駆けて行くのが見えた。 それを見送り、愛望は言った。 「数百年前に事件がなかったか、なんですけど」 賢が聞く。 「うん、なにかあった?」 「承久(じょうきゅう)元年……一二一九年だから、ほぼ八百年前。あの広場に七色に光る柱が現れて、そこへ三人の乙女が現れた、っていう昔話がありました。その柱は七つの玉になって、それを乙女たちが手に持ってどこかへ行ったって。今じゃ、あまり伝えられなくなってるみたいで、私も、今日、図書館で本を調べて、初めて知りました」 聖が言った。 「もしかして、あの時のことが、ここに投影された、とか?」 賢がうなずいた。 「その可能性はあるわね」 夢華は賢に聞いた。 「あの。実は、カーナ・シー・エンパイアの幹部の一人が、気になることを言ってたんです」 「気になること?」と、賢が聞き返す。夢華はクーキョンに言われたことを伝えた。少しして。 「ごめんね、まだあなたたちには、教えられないことの方が多いの。でも。その時が来たら、教えるわ、必ず!」 賢が夢華の目を見て、答えた。 嘘のない声だった。
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