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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第56回  
 このゼツボーグは強敵だった。これまで以上に、ダメージを与えられない。
 その時、高笑いが聞こえてきた。
「アーハッハッハッハッハッ! いいザマね、○リキュア!」
 声がした方をナイトは見る。ある商店の屋根に、アイ・スクリームが座っていた。
「アイ・スクリーム!」
 ナイトはアイ・スクリームを睨む。アイ・スクリームは、ニヤリとして言った。
「言っておくけど、このゼツボーグ・アルノミーは、これまでのゼツボーグとは、ひと味もふた味も違うわよ? なんと言っても、あなたたちのことを研究して生まれたんだから!」
「研究?」と、首を傾げてアーチャーが呟く。ダンサーが言った。
「やってみないとわからない!」
 そして、ホープ・ジュエルを捧げ持つ。
「あった、希望の星!」
 そして、ドリーム・ビートを放つが。ハートの音符はことごとく、ガットに呑み込まれていった。
「……うそ……」
 ダンサーが愕然となる。クレリックがうなずいた。
「ダンサー! 希望の星はどこ!?」
「……ガットの中心……」
「ナイト! フェニックス・スピアーを!」
「うん! 我ら、いざ、夢を護らん!」
 その声に、フェニックスが生まれ、ガットを目指す。だが。
『ゼツボォォォォォォォォォグ・アルノミィィィィィィィィィ!』
 左手でフェニックスを受け止め、それを放り上げ、右腕のラケットで、遠くへ打った。空の彼方で、フェニックスが光の点になり、消滅する。
 ナイトは、震えながら呟いた。
「……そんな……」
『ゼツボォォォォォォォォォグ・アルノミィィィィィィィィィ!』
 ゼツボーグがシャトルコックをナイトに撃ち込む。
「くうっ!」
 吹っ飛ばされて、体全体がしびれ、動かない。他の四人にも、シャトルコックが撃ち込まれ、動けなくなってしまった。
「フフフ……。さあ、ゼツボーグ・アルノミー、とどめを刺してしまいなさい。そうすれば、あの五人からホープ・ジュエルが分離するはずよ」
『ゼツボォォォォォォォォォグ・アルノミィィィィィィィィィ!』
 ゼツボーグが咆哮した。


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