ウッキューが手にしたクリスタルに、ゼツボーグから解放された希望の星が宿る。そして、その涙滴が、ウッキューの手を離れ、ふわふわと宙を漂い、うつろな表情でへたり込んでいる女性の頭の上に行った。直後! 球から光が涙滴に滴って涙滴の中に光が満ちる。そして涙滴がグルリン!と百八十度向きを変えた。その形状は、まさにエクスクラメーションマーク(!……びっくりマークである)。そのエクスクラメーションマークが光を放った瞬間、女性が目を見開き、そして立ち上がった。 「……そうよ、そうなのよ! 確かに、あの味は私の目標! でも、今すぐに再現できないのはわかってた! だったら、今は、私にできる最高のことをやらなきゃ! 今の私の『最高』を追求しないと、師匠に追いつけない! 私を信用してくれるみんなに、顔向けできないわ!」 よくわからないが、希望を取り戻したらしい。女性は駆けて行った。 その背を見ながら、変身を解いた夢華は言った。 「ねえ、エミィ。さっきアイ・スクリームが言ってたことって……」 エミィがうなずいた。 「うん。ホープ・ジュエル七つの力を合わせると、失われた何かを復活させることができるっていうのは、聞いたことがある」 「そう……」 四人は、アイ・スクリーム、コードック、クーキョンの悲しみを知ったのだ。彼女たちにも、哀しい訳があったのだ。 友希が言った。 「でも、だからといって、私たちの世界やファン・タ・シー・キングダムを犠牲にするのは間違ってる」 うなずきながら、愛望も言った。 「そうですね。そんなすごい力を持つホープ・ジュエルですもの、きっと、みんなが笑顔になれる、そんな方法があるはずよ」 夢華が笑顔になった。 「そう! きっと、そう! 夢見る力は無限大なんだもん! みんなが笑顔になれる方法を、サガそう、オー!」 夢華が右の拳を空に向けて突き上げた。
そして、日曜日。四人はイベントに参加した。その結果は。 夢華以外の三人は「当分、おやつには困らない」と、そのスイーツ店のテイクアウトの箱を持って、店を出た。そして夢華は。 「……ぢょ、ぢょっと待っで、みんなぁ……。肩、貸じで……」 エミィが言った。 「あのチケット、一ヶ月なんだって、有効期間」 友希が言う。 「よかったですね、先輩」 「……あと一年は見たくないかな、スイーツ……」 翌日から、朝早くランニングをする夢華の姿が見られたという。「見たくないもの」に、「体重計の表示」も加わったらしい。
(ファンタシーサガ ○リキュア しょの1・了)
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