ナイトが剣で斬りかかる。その瞬間、ゼツボーグの体から、ナイフが現れる。まるで、折りたたまれていたようだ。 打ち合って、着地し、ナイトは言った。 「今度のゼツボーグは、折りたたみナイフね! 私がナイフを押さえるから、みんなはそれぞれ攻撃して!」 四人がうなずく。ナイトがジャンプし、ナイフと打ち合う。その隙に、ダンサーが足下にスライディングしたが! 「! ハサミ!?」 下部から小さなハサミが展開され、ダンサーの胴を挟んだ。 「ダンサー!?」 アーチャーが矢を放つ。すると、ゼツボーグの体から、別のものが現れた。それは、おそらくマイナスドライバー。ゼツボーグは、ドライバーの平たい面で、矢を打ち返した。 ウィッカの魔法弾がハサミに命中し、ダンサーが脱出した。 「ありがとう、ウィッカ!」 間合いをとり、ダンサーが言った。 「なに、あれ?」 クレリックが言った。 「あれ、多分、十徳(じゅっとく)ナイフだわ!」 アーチャーが聞き返す。 「じゅっとくナイフ?」 うなずき、クレリックが手短に説明する。 「キャンプとか、アウトドアで使う、マルチツールよ!」 ウィッカがステッキを構える。 「なるほど、いろんな攻撃が出来るってことね……!」 ナイトはナイフを押さえるので手一杯だ。 ダンサーが言った。 「私が、上空からナイトと一緒にナイフを蹴って、重心をずらすから、その隙に、ダメージを与えて!」 そして、ダンサーはジャンプし、ナイトがナイフの刃に剣を打ち付けるのに合わせて、キックする。バランスを崩し倒れかかるゼツボーグだったが。 『ゼツボォォォォォォォォォグ!』 別のツールが現れ、そのツールで体を支える。そしてそのまま、体を動かした。「キコキコ」と音がする。音がした辺りに、ちょうどナイトとダンサーが着地した。……と思ったら、そのまま、地面の下に消えた。 「ナイト!? ダンサー!?」 ウィッカとクレリックがそこに駆け寄る。アスファルト地面が丸く切り抜かれていて、その下に、ナイトとダンサーが倒れて、目を回していた。
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