スクエアミラーのスリットに、ガラス板(?)を挿し込み、エミィは呪文を唱える。すると、地面と平行にしたスクエアミラーから、光が空に向けて照射され、そこに一人の女性の姿が現れた。 「! 女王陛下!」 「え? この人が、ファン・タ・シー・キングダムの女王様?」 夢華は映し出された女性を見る。美しいのもあるが、どこか神々しささえ感じる。 『エミィ。久しぶりですね』 柔らかな声で、女王が言う。 「はい! 女王様も、お変わりないようで!」 弾んだ声で、エミィが言うと、女王がうなずく。その時。 『あら? そちらの女の子は?』 どういう仕組みかわからないが、向こうから夢華の姿が見えているようだ。エミィが振り返り、そして、再び女王の方に向く。 「女王様、彼女の名前は岸夢華(きし ゆめか)、○リキュアの一人です!」 『…………………………え?』 誇らしげに言ったエミィに対し、女王が首を傾げる。そして言った。 『エミィ、あなた、今なんて?』 「ですから、彼女が伝説の戦士、○リキュアの一人なんです! 女王様がサガせと、お命じになられた、あの○リキュアです!」 『…………………………エミィ、あなた、何を言っているの? 私(わたくし)は、伝説の戦士である○リキュアをサガしなさい、と言ったのですよ?』 困惑した表情で、女王が言った。 確かにそうだろう。伝説の戦士、とか言いながら、夢華はまだ十四歳。女王が疑問に思うのも無理はない。なので。 「え〜。女王様、これを見てください」 そう言って、夢華はスクエアミラーを出し、変身する。 『……それは、ホープ・ジュエル……! 一体、どういうことなの?』 かえって、混乱したようだ。どうも、女王からすれば、夢華のような子どもが伝説の戦士というのが、どうにも信じられないらしい。 「あの、女王様。実は、私も、○リキュアなんです……」 エミィは自身のホープ・ジュエル、ブルー・アクアマリンを見せる。
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