ミミックモンスターが消滅したあとに、何かがあって海面に浮いていた。それは名刺のようなもの。二枚ほどある。 それを拾うと、エミィが言った。 「……これ、地図のパーツだ」 「マジ!?」と、夢華は駆け寄る。うなずいて、エミィは地図を出して、そのパーツを当てると、該当部分で地図が構成された。残念ながら、例の紋章を補完する位置ではなかった。 愛望が言った。 「市の西と、東南ね」 うなずいたエミィがふと。 「あれ?」 「どしたの、エミィ?」と夢華が聞くと。 「うん、これ」 と、エミィが指さす。今構成されたパーツに、やはり、何かの模様の一部らしきものがあった。色は、青と赤。しばらく考えたエミィが言った。 「これ、○ュアパラディンと、○ュアシャーマンのエンブレムの一部に見える……」 「まじ……?」 夢華の言葉に、エミィが自信がないようながらもうなずいた。
島に帰ってきた聖が言った。 「流した箱、やっぱり、全部、夢ヶ谷市に流れ着いてたみたいだね、巫(かんなぎ)」 巫と呼ばれたロングヘアの少女がうなずく。 「じゃあ、今度は東の岬から流してみましょう。……ところで、あの箱、魔力がこもってるから、下手をするとミミックモンスターが、その魔力に引き寄せられるのではなくて、賢(さとる)?」 賢と呼ばれた少女は、二人を見て、薄い笑みを浮かべて言った。 「それなら、大丈夫。ミミックモンスターは、封印状態にあるから、魔力の弱い人とか、普通の人にとっては、ただの箱。魔力の強い人が開けたら、実体化するけど。あと、○リキュアとか」 二人がうなずく。 浜辺から、本土を見ながら、賢は言った。 「とにかく、ホープ・ジュエルが一ヶ所に集まってしまうと、取り返しの付かないことになる。一刻も早く、こっちの世界に来たらしい、マップ・ホルダーに知らせないと……! そのためにも、まず、あの箱を流して、気づいてもらわないと……!」 海に沈む夕日を見ながら、賢は両の拳を握りしめた。
(ファンタシーサガ ○リキュア・しょの5 了)
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