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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第30回  
 放課後、夢華はエミィの住むシェアハウスにいた。
「ふうん。それじゃあ、その○ュアウィズダムっていうのが、昔、ファン・タ・シー・キングダムを護ったんだ」
 エミィがアイスティーの入ったコップを手に言った。
「うん。もう何百年も昔のことだから、正確なところはわからないらしいんだけど」
 エンブレムのことが頭にあったエミィは、かつての○リキュアのことを話していた。
 ストロベリーソーダの入ったコップを手に、夢華は言った。
「でも、そんな昔から、カーナ・シー・エンパイアは、ホープ・ジュエルを狙ってたんだね」
 エミィがうなずいた。
「多分ね。でも、この何百年もの間、カーナ・シー・エンパイアは攻めてこなかったの」
「それが、この間、攻めてきたんだね?」
「うん。まさか、ホープ・ジュエルが目的とは思ってなかったけど」
 ちょっと考え、ストロベリーソーダを一口飲んで、夢華は言った。
「でもさ、なんか、変だよね?」
「変?」
「うん。どうして、何百年間も、カーナ・シー・エンパイアは、何もしなくて、ここへ来て急に攻めてきたんだろう? 封印されてた、とか?」
「そんなことないよ? 国交こそなかったけど、カーナ・シー・エンパイアは、ちゃんと存在してたもん」
 そしてエミィは一口、アイスティーを飲んで。
「……そういえば」
「? なんかあるの?」
「関係あるかどうかわからないけど。あの三人の幹部の故郷が、滅びた後だったの、攻めてきたの」
「……」
「サービ・シー・ランドとか、ムーナ・シー・ハイランドとか、クール・シー・アイランドとかが滅びた、っていう話が出て、何年も経った頃だわ?」
「……ねえ、もしかして、その三つの国を、カーナ・シー・エンパイアが滅ぼしちゃった、ってことはない?」
 アイスティーを口に含んでいたエミィがむせる。夢華が謝ると、エミィは言った。
「まさか、そんなこと……!」
「ないとは、言えないよ?」
「でも、三つの国が滅びたのって、災害みたいなものだったのよ?」
 そういえば、アイ・スクリームも、そんなニュアンスの話をしていたように思う。特にアイ・スクリームの故郷は海に没した、ということだから、普通に考えたら、災害だろうが……。
「うーん。でも、なんか、引っかからない?」
「……そうかな?」
「そだよ、きっと! よーし、この謎の答えを、サガそう、オー!」
「……絶対、見つからないと思う……」


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