行った先では、人々が泣いていた、ゼツボーグが吐き出した「闇」のせいだ。 夢華が変身アイテム「スクエアミラー」を手に宣言した。 「叙事詩(サガ)、オープン!」 すると、ミラーに夢華の姿が映る。実体の夢華の周りを一冊の本が舞い、その本が開く。 「騎士の章! アーマー!」 騎士の鎧が描かれたページが外れ、ミラーのスリットに自動で差し込まれると、ミラーに映った夢華の体にフィットし、現実の夢華の体にも鎧が生まれる。 「ガントレット!」 腕甲が描かれたページが外れ、ミラーのスリットに。以下「ブーツ!」「ソード!」……。変身後の彼女の髪はルビーレッド、ホープ・ジュエルのレッド・ルビーは髪飾りとして輝いている。そして、それには鳥のごとき白い片翼があった。 ほかの三人のシークエンスも同じである。 「僧侶の章! ローブ!」以下もろもろ。 変身後の愛望の髪はエメラルドグリーン、ホープ・ジュエルのグリーン・エメラルドは胸に輝き、白い片翼があった。 「射手(いて)の章! ブレストプレート!」以下もろもろ。 変身後の友希の髪はアンバーオレンジ、ホープ・ジュエルのオレンジ・アンバーは、サークレットとして、額に輝き、白い片翼があった。 「魔女の章! ケープ!」以下もろもろ。 変身後のエミィの髪はアクアマリンブルー、ホープ・ジュエルのブルー・アクアマリンはバックルとして輝き、白い片翼がある。 一同が名乗りを上げる。 「夢を護る剣(つるぎ)、○ュアナイト!」 「夢安らぐ杖、○ュアクレリック!」 「夢を目指す弓矢、○ュアアーチャー!」 「夢を導くステッキ、○ュアウィッカ!」 「みんなの夢は、私たちが紡ぐ! ファンタシーサガ、○リキュア!」 アイ・スクリームが言った。 「また、お出ましね。毎度毎度、ご苦労様」 「アイ・スクリーム! 世界を闇色に染めるなんて、許さない!」 ナイトの声に、アイ・スクリームは嘲笑で応える。 「見解の相違ね。私たちにとっては、闇こそが希望なの」 クレリックが問う。 「どういう意味!?」 鼻で笑い声を漏らし、アイ・スクリームは言う。 「世界が闇色になったら、見えるでしょ? 七つのホープ・ジュエルの、輝いている光が」 この言葉に、何かに気づいたように、ウィッカが言った。 「まさか、あなたたちの狙いは、ホープ・ジュエル!? だから、ファン・タ・シー・キングダムを襲ったの!?」 アイ・スクリームが凄惨な笑みで応える。 「七つのホープ・ジュエルを手に入れるために、ファン・タ・シー・キングダムを襲ったけど、それは人間界に散らばってしまった。だから、手に入れるために、世界を闇にして、その光を探すのよ!」 アーチャーが怒りを隠さず言った。 「何のために、ホープ・ジュエルを手に入れようとするの!?」 「ホープ・ジュエルが七つそろえば、すべての世界を支配できるの。でも、それはカーナ・シー・エンパイアの皇帝、オサキ・マックラー陛下の思惑。私たち、三人の幹部は違うわ」 ナイトが眉をひそめる。 「あなたたちの目的は、違うの……?」
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