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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第25回  
 父は急用が入ったので、祈璃は一人、電車に乗って帰ってきた。そうしたら、何か騒ぎが起きている。何だろうと思ったら、聞き覚えのあるメロディが聞こえてくるではないか。
 まさか、と思い向かってみると。
「あの怪物……! まさか、あのオルゴール、まびきとお揃いで作ってもらった、あのオルゴールなんじゃ……!」
 見覚えのあるオルゴールが、体高六、七メートルの巨体になり、聞き覚えのある音楽を鳴らしている。そして、噂に聞く戦士・○リキュアたちが、それに翻弄されているようだった。
 一歩、二歩と近づき、祈璃は言った。
「……そうか。やっぱり私のこと、許してないんだね、まびき」
 ○リキュアたちが、こちらを見る。剣を手にした○リキュアが叫ぶ。
「逃げなさい!」
 だが、祈璃は逃げない。これは、贖罪(しょくざい)なのだ。
「ごめんね、まびき。あの時、私、自分のことしか考えてなかった。コンテストで優勝して、華やかな表舞台に立つことしか、考えてなかった。だから、まびきに特訓で無理を強いて、あなたの脚を壊してしまった。……私、一時はダンスを辞めようと思ったけど、でも、やっぱり辞められなくて。だから、『自分』を隠して、Youtube始めて、誰に聞かれても、あれは私じゃないって答えて。……それを見た大手のプロダクションの人から声がかかったけど、私、それを辞退したの。私にそんな資格はないから。でも。……まびきも観てくれてたんだね、あのチャンネル。それで……。私のことが許せなくなったんだね……」
 涙が浮かび、頬を伝う。
 自分は、まびきの夢を奪ってしまったのだ、そんな思いが胸を痛める。怪物がこちらを見る。その目が祈璃を責めているようで、祈璃は思わず、へたり込んだ。怪物からメロディが届く。それが祈璃に対する恨み言に思えて。
 祈璃は目を閉じ、黙ってその恨み言を聞いていた。○リキュアたちが口々に祈璃に逃げるように言ってるが、その言葉は祈璃の心まで届かない。
 しかし。
「……?」
 恨み言と思っていたメロディが、まびきと抱いた夢の言葉に聞こえてきた。その瞬間。

 祈璃、諦めないで。私も諦めない。だから、あなたの夢を追いかけて。決して絶望しないで! 私のことを想ってくれるのなら、あなたはあなたの夢を貫いて!
 あなたのダンスを、私に見せて!!

 心に届いたメッセージに、思わず目を見開く。すると、目の前に黄色く輝く球体が現れた!

 ウィッカが言った。
「あれは……! まさか、ホープ・ジュエル……!」

 クーキョンは、首を傾げる。
「……まさか、アレって……?」


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