クレリックが言った。 「あの音楽を聴くと、なんか、『そういう気分』にさせられるみたい」 アーチャーがゼツボーグに矢を向ける。 『ゼツボォォォォォォォォォグ!』 ゼツボーグの目が光る。すると、アーチャーがナイトに矢を放つ。 「おわっ! 危なッッッ!!!!」 ナイトはのけぞって、それをよける。 一同が間合いをとった。 「何すんの、アーチャー!?」 アーチャーが困ったような顔で言った。 「ゴメンナサイ! でも、体が勝手に!」 その直後、ゼツボーグの目が光る。ナイトの体が勝手に動いて、クレリックに斬りかかった。 「ちょ、ちょっとナイト!?」 クレリックが杖でそれを受ける。 「体が勝手に!」 ナイトがそう答えると、ウィッカがゼツボーグに魔法弾を放とうとして。 「ひゃあっ!?」 と、アーチャーがウィッカの放った魔法弾をかわす。 「ゴメン、アーチャー! ゼツボーグを狙ったんだけど……! これは、あの曲を止めないと!」 巻きとったゼンマイが緩んで、曲がゆっくりとなる。ナイトの呪縛が弱くなった。 「今だッ!」 気合いとともにダッシュをかけた瞬間、クレリックが精神鎮静の光を放ってきた。 「……まあ、いいかぁ……」 急にナイトのやる気が弱まった。その隙に、ゼツボーグがレバーを回し、再び曲が奏でられた。 ウィッカが叫んだ。 「これじゃあ、終わらないよう!」
それを電信柱の上に立って見ていたクーキョンは、くぐもった笑いを立てた。 「クックックックッ。いいわね、これ。お互いが潰し合って、弱ったところでとどめを刺す。ホープ・ジュエルがいっぺんに四つも手に入るじゃない」 その時、あるものが目に入った。 「ン? あれは……。女の子?」 黄色いシャツに、白いプリーツスカートを穿いた女の子が一人、戦場に向かっているところだった。
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