四人が駄菓子屋に到着した時、一台のボックスカーが低速で走り去るところだった。リアハッチに国際シンボルマーク……いわゆる車椅子マークがある。 ペンデュラムを出し、エミィがハートマークの重しを吊り下げる。すると、一方向に引き寄せられた。そこへ行くと。 愛望がしゃがみ込む。 「……宝箱?」 縦二十センチ、横三十センチ、高さ二十センチ程度の、モスグリーンの、いかにも「宝箱」といった風情のアーチ状のフタをしたものが、そこにあった。 友希が辺りを見渡す。 「ここ、お店と隣のお店の間ですよね? なんで、こんなところにこんなものが?」 エミィがじっと見る。夢華が言った。 「ねえ、開けてみようよ? もしかしたら、プリンセスのヒントかも?」 愛望が眉間にしわを寄せる。 「でも、いつかみたいに、ミミックモンスターだったりしたら……」 以前、やはり宝箱(その時は茶色だった)を見つけた時のこと。ふたを開けたら、それは、宝箱に擬態したミミックモンスターだったのだ。ファン・タ・シー・キングダムを襲撃したカーナ・シー・エンパイアで作られたモンスターで、女王マーブ・シーの魔法で撃退され、人間界に追いやられていたらしい。 「シツボーグ以外で変身して戦った、初めてのパターンだったよね」 夢華が言うと、エミィもうなずいて言った。 「私は見てただけだったけど」 友希が言った。 「そんなことがあったんですか……」 そして宝箱を見る。 周囲を確認しながら、エミィが、スクエアミラーの中からブルー・アクアマリンを取り出して、ホープ・ジュエル越しに宝箱を見る。 「……うん、モンスターじゃなさそう」 そして、恐る恐るふたを開ける。 夢華が言った。 「……なに、これ? なんかのカード?」 エミィが名刺のような「それ」をとり、裏返す。 「これ、地図の一部だ」 「ええっ!?」 夢華が驚く。エミィはトートバッグから地図を出す。その時、中にいたウッキューが「うきゅ?」と首を傾げたが、とりあえずそれには答えないで、地図を出した。そして、広げて、カードを当てると、該当の白紙部分と一体化した。 それを見た愛望が言った。 「市の南の一部。……もうちょっと行くと、海水浴場があるわね」 友希もうなずき言った。 「ああ、あの辺りですか」 夢華は笑顔を浮かべて言った。 「すごい! こうやって、地図が完成していけば、プリンセスもホープ・ジュエルも、見つけやすくなるね!」 笑顔でうなずいたエミィだったが、地図を見て、不意に「あら?」と怪訝な表情になった。 友希が聞いた。 「どうしましたか、エミィ先輩?」 「うん。なんか、模様のようなものが」 「どれどれ?」 と、夢華はのぞき込む。 「……ほんとだ。なんかの一部っぽい。この左側の部分があったら、完全にわかりそう」 白で描かれた「それ」は、何かの模様の右側の端っこ、といった感じだった。
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