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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第20回   しょの3・1
「何やってるの、まびき! そこのステップは、そうじゃないでしょ!?」
「何べん言ったら、わかるのかな!?」
「違うだろ!? そこのターンは……!」
「特訓しよう! まびきはバランス感覚が弱点だと思うから、まずは平均台を使って……」

「……はっ!」
 思わず、飛び起きた。
 目覚まし時計を見る。
 午前六時。ちょうど、その時、目覚ましのアラームが鳴り始めた。
 祈璃(いのり)はボタンを押して、アラームを止める。呼吸が浅く速くなっていることに気づき、ふう、と息を吐く。
 あの頃の夢を見た。ちょっと、寝汗をかいている。手で顔を覆うようにして汗を拭う。
「あの話、聞いたからかな? ……どうしてるかな、まびき……」
 友の名を呟く。
 いや。
 はたして「友」といっていいのか? 祈璃は、まびきにとって、「友」なのか? 彼女は、「友」と思ってくれるのか?
 頭を二度ほど、振る。
 今日は日曜日。チャンネル更新のための撮影日だ。
 ふと。
「私、この活動、続けてもいいのかな……?」
 そう、呟いた。

 エミィから電話をもらい、夢華は愛望、友希とともに、シェアハウスにいた。
 午前十時半。日曜日でもあり、他のシェア友は、出かけているという。共用のリビングで、ガラステーブルの上にエミィは地図を広げた。
「プリンセスの反応があったの。それも、かなり強いものが!」
 幾分、興奮気味だ。友希が言った。
「強いって、どういうことですか?」
 エミィが答える。
「立ち寄ったのは、少なくともこの二、三日以内、ってこと! だから、もしかしたら何かのヒントが残ってるかも知れない!」
 そして、地図を見る。この地図は、もともとファン・タ・シー・キングダムで作られた地図だ。だが、人間界にバラバラの状態で、散らばってしまった。
 愛望が聞いた。
「前も聞いたけど。この地図と、夢の木市と、どういう関係があるの?」
 エミィがうなずく。
「ファン・タ・シー・キングダムと、関わりがある世界の地図は、マッピング・マイスターによって作られているの。いずれ、友好関係を結ぶために。人間界の地図も作られているんだけど、カーナ・シー・エンパイアの襲撃で、バラバラになってしまって、それぞれの地域に対応するパーツに別れて、対応する場所に散らばってしまったの。ここ夢の木市の地図は、完全な形で見つかってないから、プリンセスや残りのホープ・ジュエルの探索に手間取ってるけど……」
 夢華は、地図を見る。確かにここにある地図は、夢の木市の中央部分から東側のエリアだけのようだ。
 エミィがハート型の重しのついたペンデュラムを地図の上に垂らす。一カ所に引っ張られるように、振り子が動いた。
 それを見て、夢華は言った。
「ここって、駄菓子屋の近くじゃない?」
 友希もうなずいた。
「確か、夢華先輩の家の近くですよね?」
 エミィが難しい顔になる。
「おととい、私、学校帰りに夢華の家に行く途中、この駄菓子屋さんに寄った」
 夢華が驚いた。
「ああ、そういえば、帰りに一緒に寄ったよね! じゃあ あの時プリンセスがいたかも!?」
 愛望が苦笑いを浮かべる。
「時間まで同じとは限らないでしょ?」
 エミィが微妙な表情になった。
「でも、何の気配も感じなかったの」
 夢華が笑顔を向けた。
「ドンマイドンマイ! そういうこともあるよ! じゃあ、プリンセスをサガそう、オー!」
 夢華が右の拳(こぶし)を天高く突き上げた。


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