ゼツボーグの視線から逃れながら、ナイトは言った。 「今度、ゼツボーグがキーを操作したら、私が言うキーに矢を放って!」 アーチャーがうなずいた時、ゼツボーグの目がナイトを捉えて光った。ゼツボーグが「2」と押した時。 「アーチャー、『+(たす)』、『2』、『=(イコール)』!」 それを受け、アーチャーが続けざまに、指定されたキーに矢を撃ち込む。直後、表示部に「4」と出た。ウィッカとクレリックの戒めが解ける。 「ありがとう、ナイト!」 ウィッカがそう言うと、クレリックが言った。 「アーチャー、今度は私が言う位置に矢を放って!」 うなずき、アーチャーが矢をつがえる。 「『2』『+』『2』『M+』、『2』『+』『2』『M+』『MRC』!」 その通りに矢を当てると、表示部に「8」と表示された。すると、ナイトたちがもう一人ずつ現れ、合計八人になった。 ナイトが仰天した。 「うえぇぇぇぇっ!? 増えたぁぁぁ!?」 クレリックが微笑む。 「うまくいったわ。……増えた私たち、『1』『3』『7』『9』を押し続けて! 私は『AC』を押すから!」 それを聞いて、ナイトは思い出した。 「そうか、るり子さんが言ってた面白い機能! アーチャー!」 アーチャーがうなずき、スクエアミラーを出す。そして。 「力の章! 強き腕!」 腕のパーツが描かれたスケルトンシートを、○ュアアーチャーの似姿にかぶせる。すると、アーチャーの両腕に鎧が被さる。 五人が指定のキーを同時に押した瞬間、表示部に「CAJIO」と表示される。ナイトが叫んだ。 「あれが表示されてる間は、すべての入力を受け付けない! アーチャー、今のうちに『=』のキーを破壊して!」 うなずき、アーチャーが、ドリームエネルギーを集め、特殊な矢を出現させた。 「○リキュア、ドリームシュートォォォォォ!!」 別のキーを押して操作しようとするが、何の動きもない、キーを押し続けている五人を払おうとする手は、ナイトやウィッカに弾かれている、そんなゼツボーグの「=」キーを、ハート型の矢尻を持った、オレンジ色に輝く矢が、貫いた。この技は、シツボーグを一撃で粉砕してきた必殺技だ。 「=」キーが破壊され、ゼツボーグが動きを鈍らせた。キーを押すが、「=」キーが破壊されているため、計算結果が表示されない。その影響か、増えていた四人が消えた。 ナイトが髪飾りを外し、ホープジュエルでゼツボーグを見る。「GT」の部分に「それ」はあった。 「あった、希望の星! みんな、行くよ!」 ナイトが号令をかける。 「我ら、いざ、夢を護らん!」 その声に誘導されるように、クレリックの杖とウィッカのステッキが繋がり、それにアーチャーの弓が合体する。そして、ナイトの剣が先端に繋がると同時に、弓が白い翼になった。 四人が宣言する。 「希望の光を取り戻せ! ○リキュア・フェニックス・スピアー!」 宙に浮いた翼を持つ槍が一直線に飛び、ゼツボーグの「GT」キーを貫く。 数瞬おいて、ゼツボーグが爆散する。 「夢と希望を、その胸に! ドント・ギブアップ・ヨア・ドリィィィィィィィム!」 四人がそれぞれにポーズを決めた。
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