この伝説の書には、数百年前の真実が書かれている。それは時の女王、ターノ・シーにとっては、不都合な真実。だから、ターノ・シーは秘伝の魔法で、封印をかけて誰にも読めないようにした。そしてその魔法は、あえて後世に残さなかったのだ。だから、誰にも読めなくなってしまった。 人間界に来て、さらにこちらの法則によって封印がかけられた。だが、今、すべての封印が解けた。
その書のラストページにあったのは……。
五人は、スクエアミラーを上に向け、それぞれ書の上に持ってくる。それはまるで、五つの花びらのようだった。 書からページが離れ、宙を舞う。そのページがナイトたちそれぞれの手に収まる。そのページには、それぞれの色のハートマークがあった。ナイトは赤、ウィッカは青、クレリックは緑、アーチャーはオレンジ、ダンサーは黄色。 五人はスクエアミラーのスリットにページを挿し込んで、空高く掲げた。ナイトが笑顔で号令をかける。 「叙事詩(サガ)、最終章、オープン……」 五人のフォームが変わる。羽衣をまとった天女。それが彼女たちの姿だ。そして、それは○ュアレジェンドの姿でもあった。 五人はハートマークが表示されている面を空に向ける。五人が空を見上げ、エミィが笑顔で言った。 「一枚は、私のために」 愛望が笑顔で言った。 「一枚は、あなたのために」 友希が笑顔で言った。 「一枚は、大切な人のために」 祈璃が笑顔で言った。 「一枚は、どこかの誰かのために」 夢華が笑顔を浮かべる。 「そして一枚は」 静かに、しかし、しっかりとした想いを込めて言った。 「未来に生きる、みんなのために!」 五人が声と息を揃えて言った。 「咲き誇れ、夢と希望の花びら! ○リキュア、クィンクエ・ペタルム!」 五人が空に向けたスクエアミラーの上に七色の玉が現れる。そしてその玉がゆっくりと開いていった。開いた形は、まさしくハートの形をした五枚の花びらを持つ、虹色の花。 そこから虹が放射され、空を走る。上空から、虹色の光が振ってきた。それはまるで、虹色の雨。 黒い巨体は何も言わず、空を見上げている。そして。 巨体の中からも光があふれ、周囲を包んでいった……。
|
|