最後の声は、何百人もの声が集まったような声だった。そして、その声に乗るように、町中(まちじゅう)から、ゼツボーグ・アルノミーを消滅させた光の粒が、夢華たちに向かって集まってきた。 その光の粒は円陣になった夢華たちの中央で一つの結晶になる。それは。 「レインボー・ダイヤモンド……!」 夢華が呟いた。それに合わせるように、夢華たちの掌に、スクエアミラーが現れる。 エミィが何かに気づいたように、やや興奮した声で言った。 「そうか! さっきレインボー・ダイヤモンドが砕けたのは、街の人、一人一人の心に届くためだったんだ!」 愛望が言った。 「じゃあ、さっきのあの光は……!」 友希が言う。 「レインボー・ダイヤモンド、一粒一粒の光……」 祈璃が確信を込めたように強い声で言った。 「いや、多分、レインボー・ダイヤモンドの粒で、みんなの中の希望の光が目覚めたんだ!」 夢華は希望を込め、レインボー・ダイヤモンドを見て言った。 「これは、みんなの希望の結晶……」 夢華たちはうなずき合った。そして。 「叙事詩(サガ)、第三章、オープン!」 夢華が号令した。そして、五人は、再び、○リキュアになった。
ナイトたちは分散して町を駆ける。 「○リキュア、ドリーム・スラァッシュ!!」 「○リキュア、ドリーム・チャントォォォ!!」 「○リキュア、ドリーム・クリアリング!!」 「○リキュア、ドリーム・シュートォォォ!!」 「○リキュア、ドリーム・ビートォォ!!」 それぞれの必殺技が、それぞれで放たれ、ゼツボーグ・アルノミーを倒していく。みるみるうちに、ゼツボーグ・アルノミーが消滅していった。そして、いつの間にか、黒い巨体の近くに迫っていた。 五人が合流する。 ナイトが巨体を見上げる。巨体は吠えながら、闇を吐き、新たなゼツボーグ・アルノミーを生み出していく。 ダンサーが言った。 「やっぱり、こいつを倒さないとダメだね」 アーチャーが言う。 「でも、こいつには、技がきかないような気がします」 クレリックがうなずく。 「リザレクション・フェザーでも、無理かも知れない」 ウィッカが言った。 「どうしたら……!」 ナイトが剣の柄を強く握りしめる。 諦めない……、絶対! そう思った時。 五人の中のホープ・ジュエルがひときわ強く輝き、再びレインボー・ダイヤモンドになった。そして「声」が響いてきた。 『今こそ、真実のページを』 円陣になった五人の中心に、伝説の書が現れた。そして、風に吹かれるかのように、パラパラとめくれる。その瞬間、五人は理解した。
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