「そんな……!」 脱力し、夢華はへたり込んだ。みんなが集まる。 祈璃が言った。 「大丈夫、夢華!?」 「祈璃さん、レインボー・ダイヤモンドが……」 祈璃を見上げる。祈璃も沈痛な表情になっていた。 愛望が言うのが聞こえた。 「これで、希望が断たれちゃったわね」 辺りを絶望感が支配し始めていた。
コードックの剣がゼツボーグ・アルノミーの右脚に斬り込む。その傷口に、雷電をまとった、ココの剣が斬り込んだ。その傷を中心にして、全身に雷(いかづち)が走り、ゼツボーグ・アルノミーが爆散する。 ココが言った。 「魔法剣は得意ではないのだが」 「だが、これしか有効な手はないだろう?」 「これでは、消耗が激しい。何かいい手を考えろ、コードック!」 「あれば、もう実行している」 役に立たぬヤツ、と毒づいて、ココは、黒い巨体を見上げる。 「陛下、申し訳ございません。臣がもっと早くホープ・ジュエルを集めていたら、そのような苦しみを陛下には……」 「後悔してるとこ、悪いけどな、次、行くぞ!」 「……ああ」 ココとコードックは走り出した。
へたり込んで、呆けていると、エミィが言った。 「ねえ、夢華!」 「ああ、エミィ、どうかした? またゼツボーグが増えた?」 「そうじゃなくて!」 「じゃあ、ゼツボーグが何かに進化した?」 「だーかーらー!」 と、エミィが無理矢理、夢華を立たせ、町の方を向かせる。愛望や友希、祈璃も見ていた。なんだろう、と、思うでもなく思っていると。 「……なに、あれ?」 町のあちこちから、光の粒が湧き上がり、ゼツボーグ・アルノミーを包んでいく。そして、怪物を消滅させていくのだ。 「いったい、なにが……?」 唖然となっていると、やがて声が聞こえてきた。耳と、心の両方に届く感じだ。声はかすかに、しかし、しっかりと言っていた。
わたしはあきらめない。
ゆめをあきらめてたまるか。
きぼうをすてたりはしない。
ぼくは。
おれは。
わたしは。
「絶対、諦めたりしない!!」
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