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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア! 作者:ジン 竜珠

第103回  
 朝から、なんだか、落ち着かない。
 夢華は日課の早朝散歩もそこそこに、家に帰り、エミィに電話した。
 しかし、出なかったので、失礼とは思いながら、愛望に電話する。
『どうしたの、夢ちゃん?』
「愛望先輩、なにか、胸騒ぎ、しませんか?」
『胸騒ぎ? ……特に。何かあった、夢ちゃん?』
「……いえ、なんでもないです。失礼しました」
 そのあと、友希、祈璃にもかけたが、二人とも特に何かを感じているという訳ではないようだった。
 夢華は、不安な気持ちを抑えられず、朝食後、すぐに出かけた。足が向くまま歩いていると。
「……学校……」
 夢の木中学校に着いていた。

「……なあ、なぜ、私はここにいて、お前が果物の皮をむいているのだ、コードック?」
「仕方ないだろ、お前はまだ満足に動けない、ここの医師は、今日は診療がある。お前は、不審人物だから、あの医院のベッドに置いておくことは出来ない」
 ココは布団から体を起こす。肩を回す。呼吸を繰り返し、自分の体に意識を巡らせる。絶好調までは行かないが、かなり回復しているのは実感出来た。
「私なら、もう大丈夫だ」
「そうか。それなら」
 と、コードックが部屋のカーテンを開け、窓を開ける。
「戦えるな?」
「……はあ?」
「一宿一飯の義理は、果たせ」
 その時、ココは感じた。
「……まさか……!」

 地響きが、早朝の夢の木市に轟く。人々が何事か、と、それぞれが外を見る。そこに、黒い巨体がいた。
 巨体が吠えた。
『オサキ・マックラァァァァァァァァ!!』
 そして、口から、闇を吐く。闇が着弾したところから、別の何かが吠えた。
『ゼツボォォォォォォォォォグ・アルノミィィィィィィィィィ!』
 白い体に甲冑をまとった怪物が現れた。

「……あんなにゼツボーグが……」
 夢の木中学校は、ちょっとした高台にある。そこから、町を見ると、黒い巨体を中心として、いくつものゼツボーグが出現しているのだ。
 一体、何が、と思っていたら。
「夢華ーっ!」
 エミィがかけてきた。
「ゴメン! 今朝は朝食当番だったから、あとで、携帯、確認したの!」
 そして、町を見る。
 夢華は聞いた。
「どうして、こんなことに……!」
「わからない! 女王様と通信出来ないの! 今、王女様が通信を試みてくれてるけど、スクエアミラーがないから、あのページだけじゃあ難しいみたい……!」
 しばらくして、愛望、友希、祈璃も駆けつけた。
「みんな!」
 夢華の声に、愛望が応えた。
「やっぱりここだったのね」
「え? 何を言ってるんですか?」
 友希が言った。
「なんか、ここに来たら、みんなと会えるような気がしたんです」
 祈璃がうなずいた。
 皆、ここに引き寄せられた、ということか?
 ということは、ここに何かがある……?
 そう思い、夢華は辺りを見渡した。
 祈璃が言った。
「○リキュアに変身出来たら……!」
 友希が言う。
「考えたくないけど、賢さんたちに、何か、あったんでしょうか?」
 一同の中に不安が膨れ上がっていく。その時。
「……あ」
 グラウンド上空で、何かが見える。
「あれは……!」
 夢華はゲートをよじ登って越え、そこへ走る。みんなの声がしたが、無視して走る。そこにあったのは。
「レインボー・ダイヤモンド……!」
 三、四メートル上空でゆっくりと回転する、レインボー・ダイヤモンドがあった。
 これがあれば、変身出来る!
 そう思って、夢華は手を伸ばす。すると、レインボー・ダイヤモンドがゆっくりと降下を始め。
「あと、ちょっと……!」
 夢華がつま先立ちになった時。

 ピキッ!

 甲高い音がして、レインボー・ダイヤモンドに、一筋のヒビが入る。
「……え?」
 小さな衝撃が夢華の胸をついた瞬間、次々にヒビが入り、そして。
 ガラスが割れるような澄んだ音を立てて、レインボー・ダイヤモンドが粉々になって、砕け散った。欠片は遙か彼方まで飛んでいった。


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