しばらく行くと、大広間に着いた。そこでは。 「皇妃殿下、こちらへ!」 女性の声がした。その女性が、こちらへかけてくる。その女性には見覚えがあった。 「あなた……」 ウィズダムが呟いた時、その女性がこちらに気づいた。 「……なに、あんたたち……?」 見るとその女性は、一人の小さな女の子を抱きかかえている。女の子は意識を失っているらしい。そして、そのうしろから、一人の女性が現れた。着ている服は、もとは豪奢だったろうに、今はあちこち破れ、汚れ、ボロボロだった。 そして、後ろを振り返り、「陛下……」と呟いている。直感的に、皇妃だろうと、ウィズダムは思った。 少女を抱きかかえた女性が言った。 「あんたたち、何者? ただ者じゃないのはわかるけど?」 ウィズダムが「○リキュア」だと言うと、女性は始め、信じていないようだったが。 「! まさか、あの時の小娘……!」 息を呑む。シャーマンが言った。 「驚いているところ、悪いけれど。何があったの?」 女性が振り返る。皇妃はへたり込んでいた。 再び、女性がこちらを見る。 「ブラック・ダイヤモンドが、崩壊を始めたのよ」 「崩壊?」 ウィズダムが聞くと、女性が言った。 「ブラック・ダイヤモンドの歪(ひず)みが増大し、制御出来なくなっていたの。だから、オサキ・マックラー陛下は、自らの命を使って、それを制御していた。ホープ・ジュエルを手に入れるまでの間。でも、もう、それでも抑えきれないところまで来ていたの。そして、ついに歪みが極大にまで達し、崩壊が始まった。陛下は、それを自らの中に封じ、おさえようとしたのだけれど……」 その時、咆哮が轟いた。 『オサキ・マックラァァァァァァァァ!!』 その方を見る。闇が押し寄せてきた。その一端に触れた時。 「!! ……そうか、そういうことだったのね……!!」 電撃の如く、ウィズダムの脳裏に閃くものがあった。 「なにか、わかったの、ウィズダム?」 シャーマンが聞いてくる。 「ええ。……私たちは、根本的な間違いを犯そうとしていたわ……」 「……?」 「なんてこと……」 あまりのことにめまいがした時。
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